
目次
ラボ型開発とは?
ラボ型開発とは、特定のクライアント専用にエンジニアチームを組成し、一定期間にわたって継続的に開発を行う契約形態を指します。通常の受託開発とは異なり、仕様が柔軟に変わるプロジェクトにも対応できるのが特長です。
より詳しい概要や特徴については、【関連記事:ラボ型開発とは?メリット・デメリット・活用ポイントを解説】をご参照ください。
ラボ型開発の基本的な考え方
ラボ型開発では、クライアントが開発チームをほぼ自社内のチームのように活用します。専属チームがプロジェクトに深く関わりながら、中長期的な視点で改善・機能追加を進めるスタイルです。
受託開発・SESとの立ち位置の違い
受託開発は、仕様書に基づいて成果物を納品する契約形態です。SESは人材提供型で、技術者がクライアント先で業務に従事します。ラボ型開発はこれらの中間に位置し、専属チームで成果を出しつつ、柔軟に仕様変更にも対応できる点が異なります。
ラボ型開発のメリットとは
専属チームによる開発効率の向上
ラボ型開発では、プロジェクトに専属でアサインされたメンバーが長期間関わるため、仕様理解や業務ノウハウの蓄積が進みます。その結果、都度の説明コストが削減され、開発スピードの向上が期待できます。また、仕様理解が深まることでミスや認識のズレが発生しにくくなり、品質面にも良い影響を与えます。
コスト管理と予算の透明性
契約期間中は一定の月額費用でチームを稼働させるため、追加費用の発生リスクが抑えられます。見積もりベースではなく、人的リソースに対するコスト管理が可能なため、予算計画が立てやすい点もメリットです。
長期的なパートナーシップ構築
単発案件ではなく、継続的な開発体制を築くことで、クライアントとベンダー間に強い信頼関係が生まれます。コミュニケーションの質も向上し、要件の変化や新たな課題にも柔軟に対応できる体制が整います。
ラボ型開発とSESの違いを比較する
契約形態と責任範囲の違い
SES(システムエンジニアリングサービス)は、主に人材リソースの提供を目的としており、成果物の品質や納品に対する責任は基本的にクライアント側にあります。
一方、ラボ型開発も契約形態としてはSESと同様に「準委任契約」に近い形が一般的であり、厳密には成果物責任を負うものではありません。
ただし、ラボ型ではプロジェクトに専属のチームが継続的に関わるため、業務理解や仕様の蓄積が進みやすく、能動的な提案や改善も期待できます。その結果、形式上は成果責任を負わなくても、実質的に品質の安定や成果への貢献が得られやすい点が、SESとの大きな違いと言えるでしょう。
人材の専属性と柔軟性
SESの場合、担当エンジニアが途中で交代するリスクもありますが、ラボ型開発では専属チームが固定されるため、仕様や方針の共有コストが最小化されます。また、案件の進行状況に応じて、スキルセットを拡張・調整する柔軟な運用も可能です。
ラボ型開発が向いている企業・プロジェクトの特徴
内製化ニーズがある場合
将来的に内製開発体制を持ちたいと考える企業にとって、ラボ型開発は優れたトレーニングステージになります。外部チームと共に開発を進めながら、社内チームもノウハウを吸収できるため、スムーズな内製移行が可能です。
長期・継続的な開発体制を重視する場合
サービス拡張や機能改善を段階的に行うプロジェクトには、ラボ型開発が非常にマッチします。単発開発ではなく、事業成長に合わせてチーム規模やスキルを調整できる柔軟な体制が確保できるためです。
ラボ型開発を成功させるための注意点
スコープ設定とチームマネジメント
ラボ型開発は、仕様変更や要望の追加に柔軟に対応できる点が大きなメリットです。
しかしこの柔軟性は、開発のゴールが曖昧なままだと「作り続けるだけ」で終わってしまうというリスクも伴います。
このメリットを最大限に活かすには、あらかじめマイルストーンの設定や成果物イメージの共有、スコープ管理の仕組みを整備することが前提となります。
また、ラボ型では開発チームのマネジメント責任がクライアント側に大きく求められるため、適切なリーダーシップと進捗管理体制の構築も不可欠です。
ラボ型の柔軟性を「強み」として機能させるためには、計画性と能動的な運用がセットで必要になります。
目標設定とパフォーマンス管理
開発チームに対して、単なるタスク消化ではなく、プロジェクトゴール達成に向けた目標設定を行いましょう。KPI(重要業績評価指標)や成果物の達成基準を設けることで、開発の方向性がぶれにくくなります。
まとめ
ラボ型開発は、単なる開発リソース確保手段ではありません。長期的な開発パートナーシップを築き、柔軟なプロジェクト推進を可能にする強力なモデルです。
受託開発やSESとの違いを正しく理解し、自社にとって本当に適した体制を選ぶことが、ビジネス成長への第一歩となります。
まずは、自社の開発ニーズや中長期計画を整理したうえで、ラボ型開発がフィットするかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。
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Y's Blog 編集部