フォーム改善でCV率を最大化する方法|EFO実践事例付き

2025/05/28
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  • Webマーケティング

 

Webサイトの成果を大きく左右する「フォーム」。コンバージョン率が思うように伸びない、離脱率が高い…。

そんな悩みを抱えているWeb担当者にとって、フォーム改善は避けて通れない課題です。本記事では、EFO(エントリーフォーム最適化)の視点から、フォーム改善の具体策・実践事例・おすすめツールまでを網羅的に解説します。

なぜフォーム改善が必要なのか

フォームはCVの最終関門

Webサイトにおけるフォームは、コンバージョン(CV)に至る最終的なステップであり、ユーザーが「資料請求」「お問い合わせ」「購入」など、アクションを実行するための最も重要な関門です。このフォームでの体験がスムーズでストレスなく、簡潔であればあるほど、CV率(コンバージョン率)の向上が期待できます。逆に、フォームが複雑で使いにくい、入力エラーが多いなど、ユーザーがストレスを感じると、最終的な成果に大きな影響を与えてしまいます。

フォーム改善の重要性は、単に数値の改善にとどまらず、ユーザーの心理的な安心感を与え、信頼を構築する過程にも関連します。例えば、EFOを活用したフォームの最適化を実施することで、わずか数回の操作で、コンバージョン率が劇的に上昇することが多いのです。

離脱ポイントになりやすい理由

フォームは、Webサイトのユーザーが訪問する際に必ず通過するわけではなく、訪問者の多くは最終的なアクションを完了せずに離脱してしまいます。その最大の要因は、フォームの設計における問題点です。具体的には、以下のような理由で離脱率が高くなります。

  1. 入力項目の多さ
    フォームに入力しなければならない項目が多すぎると、ユーザーは途中で面倒になり、離脱してしまう可能性が高くなります。特に、長いフォームはユーザーにとって煩わしく、途中で放棄されがちです。
  2. エラー表示の不親切さ
    入力ミスがあった場合に、エラー表示がわかりにくい、またはどの部分を修正すべきかが明確でない場合、ユーザーはフォームの入力を途中でやめてしまいます。
  3. デザインの不適切さ
    フォームのデザインが直感的でない場合や、視覚的に煩雑な場合、ユーザーはフォームに対して不安感を抱き、離脱することがあります。

これらの問題点を解消するために、フォームの最適化が必要不可欠です。

EFO(エントリーフォーム最適化)とは

EFOの基本概念と効果

EFO(Entry Form Optimization)とは、エントリーフォームの最適化手法を指し、これを実施することによりコンバージョン率を向上させる施策です。単なるUI改善だけではなく、ユーザーの入力行動を支援し、ストレスや疑問を最小限に抑えることを目的としています。

以下は、EFOによる代表的な改善手法です

  • 入力補助機能:入力補助機能は、ユーザーが入力作業を簡単に行えるよう支援するもので、例えば郵便番号を入力すると自動的に住所欄が補完される機能があります。この機能により、ユーザーは時間を節約でき、手間が減るため、フォーム入力がスムーズになり、離脱率が減少します。
  • リアルタイムバリデーション:リアルタイムバリデーションは、ユーザーが入力する際にエラーが即座に表示される機能です。これにより、ユーザーは間違いに気付きやすく、修正するタイミングが早くなります。エラーが即時にわかるため、ユーザーのストレスが減り、スムーズな入力が促進されます。
  • 必須項目の明確化:フォーム内で必須項目と任意項目を明確に区別することは、ユーザーにとって重要なポイントです。誤って空欄のままフォームを送信してしまうことを防ぐため、視覚的にわかりやすく表示することが必要です。この改善により、入力ミスや修正の手間が減り、ユーザーが迷うことなくフォームを完了できます。
  • スマホ表示への最適化:モバイルファースト時代において、フォームはスマートフォンでも快適に入力できるように最適化することが不可欠です。スマホ用にタップ領域を広げ、スクロールや入力のストレスを軽減することで、ユーザーはどこでも簡単にフォームを完了でき、離脱を減らすことができます。

これらの改善を施すことで、コンバージョン率(CVR)が20%〜40%も向上することが実証されています。

フォーム構造設計と業種別おすすめパターン【比較表付き】

フォームの構造設計は、UXやコンバージョン率(CVR)を大きく左右します。以下の比較表では、代表的なフォーム構造とその特徴・推奨される利用シーンをわかりやすく整理しています。

【フォーム構造比較表】

構造タイプ 特徴 向いている用途・業種 メリット 注意点
ステップフォーム
(分割型)
複数ステップで入力。進捗が表示される 保険見積もり、会員登録、資料請求など
(入力項目が多い場合)
情報が分散し集中しやすい
離脱分析がしやすい
ステップ数が多すぎると離脱の原因になる
1ページフォーム
(完結型)
すべての項目を1ページに集約 お問い合わせ、セミナー申込みなど
(項目が少ない場合)
全体像が把握しやすい
スクロールだけで完了可能
項目が多いと縦長になり心理的負担が増す
1カラム構成 項目を縦一列に並べる スマホ対応・BtoC向け
一般的なフォーム
入力の流れが自然でミスが起きにくい フォームが長くなりがち
2カラム構成 項目を横2列に配置。省スペース BtoB・社内システム系
PC中心の業務用途
入力時間を短縮できる
視認性が高い
モバイルでの表示が崩れやすい

 

この比較表は、代表的なフォーム構造とその適性を視覚的に整理したものです。構造ごとの特性や業種別の向き・不向きを把握することで、EFO施策の精度が高まります。とくに、ユーザーの利用環境(スマホ or PC)や入力負荷に応じた選択が重要です。目的に応じて最適な構造を選定することで、CVR向上に直結するフォーム改善が可能になります。

導入企業の成果事例

EFOを導入した企業では、驚くべき効果が報告されています。例えば、以下のような成果がありました。

  • カメラブ株式会社:カメラブ株式会社では、既存の登録フォームにおいて入力項目の多さや写真アップロードの不具合が原因で、フォームの離脱率が高いという課題がありました。これに対し、自社でフォームを一から作り直すのではなく、EFOツール「formrun」を導入し、利便性の高いフォームを併用する施策を実施。結果として、フォームの離脱率を40%軽減することに成功しました。これにより、問い合わせや応募の獲得効率が向上しています。

出典URL:https://form.run/home/blog/media_cases_camelove

  • 株式会社Shirofune:株式会社Shirofuneでは、資料請求フォームの活用率が低く、ほとんど機能していない状態が課題でした。EFOツール「formrun」を導入し、検討度合いに応じて回答項目を調整したほか、資料内容を視覚的に見せる画像も掲載。こうした改善により、フォームの入力完了率は従来の2倍に向上しました。ユーザーの負担を軽減しながら、コンバージョン率を高めることに成功しています。

出典URL:https://form.run/home/blog/media_cases_shirofune

  • 株式会社RITA-STYLE:パーソナルジムを運営する株式会社RITA-STYLEでは、WordPressのプラグインで作成した既存フォームが長くなりすぎており、ユーザビリティが低いという課題がありました。EFOツール「formrun」を活用し、条件分岐を導入したことで、必要な項目だけを表示するフォーム設計を実現。これにより、入力のしやすさが大きく改善され、フォーム通過率が従来の2倍に向上しました。

出典URL:https://form.run/home/blog/media_cases_rita_style

これらの企業事例からも、EFO施策がいかに効果的かが伺えます。特に、BtoBやECサイトなどでのフォーム改善は、非常に大きなインパクトを与えることができます。

改善すべきフォームUI・項目の具体例

入力項目の削減と最適化

フォームの入力項目は、ユーザーにとって最も負担となる部分の一つです。項目が多すぎると、入力途中で離脱してしまう可能性が高くなります。そのため、必要最小限の情報だけを求めることが、CV率改善には欠かせません。

例えば、問い合わせフォームであれば、「名前」「メールアドレス」「問い合わせ内容」など、対応に必要な最小限の項目を必須にし、電話番号や会社名などは任意に設定すると、完了率が高まります。

また、入力項目をグルーピング・統合することで、視覚的な負担感を減らすことも重要です。例えば、住所の入力欄では「都道府県」「市区町村」「番地」を一つにまとめ、1回の操作で完了させられる設計が望ましいです。

UI/UX視点でのフォーム設計チェックポイント(視認性・操作性)

CVに直結する「フォームの使いやすさ」は、以下のような基本的なUI設計の工夫から生まれます。

  • ラベルは必ず上部配置に:プレースホルダーだけのフォームは視認性が低く、入力途中に内容が見えなくなるため、ラベルはフィールドの上部に明示する
  • 余白と行間をしっかり確保:詰め込みすぎたデザインは読みにくく、誤操作を誘発します。視線誘導を意識した間隔設計が重要
  • セクションごとにステップ分割:長いフォームは分割して進行状況を可視化することで、完了率が向上
  • CTAボタンの位置とデザインに注意
    • ファーストビュー内または入力完了後の明確な場所に配置
    • 目立つ色・十分なサイズでタップしやすく
    • 文言は「送信」よりも「無料で相談する」「今すぐ登録」など具体的な行動を促す内容

エラー表示・バリデーションの改善

ユーザーが入力ミスをした際には、即時にエラーを知らせ、修正点を明確に示すことが重要です。エラー表示が遅れる、または誤解を招くような案内をすることは、ユーザーの不安やストレスを増加させ、離脱を誘発する原因となります。

以下のポイントを押さえてエラー表示を最適化しましょう

  • 即時にエラーを知らせる:リアルタイムでエラーが表示されると、ユーザーは早期に修正でき、入力を続けやすくなります。
  • どこをどう修正すべきか明確にする:単に「エラーがあります」と表示するのではなく、「電話番号は半角数字で、ハイフンなしで入力してください」といった具体的な指示を加えると、ユーザーが迷わずに修正できます。
  • 視覚的な案内:エラー部分を強調するために、カラーだけでなく、アイコンやテキストで明確に案内することが重要です。

エラー表示はリアルタイムで行い、ユーザーが迅速に修正できるようにします。具体的な修正指示を加えることで、誤解を避け、スムーズな入力が可能になります。また、視覚的に強調することで、エラー箇所が一目でわかり、ストレスを減少させます。

モバイル環境に配慮したEFO設計(スマホ対応)

スマホユーザーの割合が6〜9割に達するBtoCサイトでは、モバイル対応はフォーム改善の最重要課題です。PCでは問題ないフォームでも、スマホでは入力しにくい・見づらいといったUX障害が直帰率やCV率に大きな影響を及ぼします。

スマホUX改善の具体策

  • キーボードの自動切り替え:電話番号入力ではテンキーを、メールでは@付きキーボードを自動表示
  • フォーム要素の縦並びと適切なタップ領域:指で操作しやすいように、各ボタンや入力欄に最低でも48px程度の高さを確保
  • フローティングCTAボタンの活用:スクロールしても画面下部に「送信」ボタンが表示され続ける設計で、離脱を防ぐ
  • スマホ専用に最適化されたフォームレイアウト:横スクロールが不要な設計、ピンチインしなくても入力できるUI

成果を出すためのEFOツールと実装方法

代表的なEFOツールの比較

EFOを効率的に進めるには、専用ツールの導入が有効です。代表的なツールを比較すると以下のようになります。

ツール名 特徴 初期費用 月額費用
EFO CUBE 多機能でCVR改善事例が豊富 0円 30,000円〜
Gyro-n EFO ヒートマップ連携可、フォーム分析に強い 10万円〜 要問い合わせ
Form Analytics 海外製、UI/UX分析に特化 無料プランあり 0〜

いずれもABテストやヒートマップとの連携が可能で、実装後すぐに改善結果を可視化できます。

自社に合った導入手順

EFOツールを導入する際は、以下のようなステップで進めるとスムーズです。

  1. 改善目的の明確化(CVR改善 or 離脱率改善)
  2. KPIの設定(現状CVR、目標CVR)
  3. フォームの構造・UIの現状分析
  4. EFOツール選定・トライアル導入
  5. 実装・検証・ABテストの運用

EFOツールの導入は、改善目的を明確にし、現状分析を行った上で適切なツールを選定することが重要です。導入後は、効果測定とABテストを実施し、改善策が確実に効果を上げているかを検証します。このプロセスを繰り返すことで、フォームの最適化が進み、コンバージョン率向上に繋がります。

まとめ:フォーム改善は小さな変更で大きな成果を生む

フォーム改善は、ユーザー体験の最終地点を整える極めて重要な施策です。
EFOの視点を取り入れ、項目数やUI、エラーメッセージなどを最適化することで、コンバージョン率の大幅な向上が期待できます。
導入ハードルが低く、効果が見えやすい点も魅力です。
EFO施策や導入支援をご希望の方は、お気軽に当社までご相談ください。

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