ユーザビリティとは?UI/UX改善の基本概念・評価手法・実践ステップを徹底解説

公開日:2025/12/26 更新日:2026/02/05

ユーザビリティとは?UI/UX改善の基本概念・評価手法・実践ステップを徹底解説

公開日:2025/12/26 更新日:2026/02/05

初めに

ユーザビリティは、Webサイトやアプリの使いやすさや操作性を評価し、改善するための指標・手法です。UIやUX担当者は、ユーザーが直感的に操作できる設計を行うことで、離脱防止や満足度向上、最終的には売上や成果に直結する価値を生み出せます。本記事では、ユーザビリティの基本概念や評価方法、改善手法、実務での活用例を整理し、自社プロダクトに具体的に適用できる知識を提供します。

目次

ユーザビリティの基本概念

ユーザビリティとは何か

ユーザビリティとは、Webサイトやアプリ、システムなどをユーザーがどれだけ快適に、直感的に利用できるかを評価する指標です。国際規格である ISO 9241-11 では、ユーザビリティは「有効性・効率性・満足度」の3要素で構成されると定義されており、単に「操作ができるかどうか」だけでなく、どれだけ効率よく目的を達成できるか、どれだけ満足して利用できるか、学習コストの低さなども含まれます。使いやすいデザインはユーザーの行動を自然に導き、サービスの継続利用や購入意欲を高める要素として非常に重要です。

 

UIとUXの違いと関係性

UI(ユーザーインターフェース)とは、ユーザーが実際に触れる画面や操作要素のことを指します。ボタンの配置や色使い、入力フォームの設計などが典型例です。一方、UX(ユーザーエクスペリエンス)は、サービス利用全体を通じた体験価値を指し、UIはその一部を構成する要素です。UIが優れていてもUX全体が良くない場合、ユーザーは満足せず離脱してしまうことがあります。ユーザビリティはUIの改善に直結しつつ、UX全体の向上にも寄与するため、両者のバランスを意識した設計が求められます。

 
 

概念 内容 具体例
UI ユーザーが直接触れる画面・操作要素 ボタン配置、色、入力フォーム
UX サービス利用全体の体験価値 購入フローの満足度、直感的操作のしやすさ

 
 

ユーザビリティ向上の目的とメリット

ユーザビリティを高めることには、いくつかの明確なメリットがあります。まず、操作性の向上によりユーザーの離脱率を低下させ、コンバージョン率の向上に直結します。また、学習コストやエラー発生率を下げることでサポートコストを削減できるほか、ユーザーの満足度やブランドイメージの向上にもつながります。特に競合が多い市場では、わずかな操作性の差が顧客獲得に大きく影響するため、ユーザビリティ改善は重要な投資といえます。

 

ユーザー心理に基づく設計の重要性

ユーザビリティ改善では、ユーザーの心理を理解することが欠かせません。たとえば、初めて訪れたユーザーは情報の探索や操作に対する不安や迷いが生じやすく、複雑なフローや情報過多は離脱につながります。心理学的な知見を取り入れることで、認知負荷を下げ、直感的な操作を可能にする設計が可能です。ヒューリスティック評価や認知負荷(Cognitive Load)の考え方を応用することで、ユーザーが自然に操作できるUIを構築できます。

 

ユーザビリティ評価の基礎

定性的評価と定量的評価の違い

ユーザビリティ評価には大きく分けて定性的評価と定量的評価があります。

定性的評価は、ユーザーの行動や意見を観察・記録し、問題点や改善ポイントを抽出する方法です。一方、定量的評価は、タスク完了率やエラー数、操作時間、満足度スコアなどの数値を用いて評価する方法です。

両者を組み合わせることで、ユーザビリティ改善の根拠を強固にできます。

 

評価方法 内容 メリット 代表的手法
定性的評価 ユーザーの行動や意見を観察 問題の深い理解 ユーザーテスト、インタビュー
定量的評価 数値で操作性を評価 客観的に効果を把握 タスク成功率、SUS など(必要に応じて NPS)

 
 

代表的な評価指標(SUS、NPS、タスク成功率など)

SUS やタスク成功率はユーザビリティそのものを直接測る指標であり、NPS はユーザビリティだけでなく UX 全体の満足度や推奨度を補完的に把握するための指標です。

 

指標 内容
SUS(System Usability Scale) 10項目でユーザーの操作感覚や満足度を簡易評価
NPS(Net Promoter Score) サービスの推奨度から UX 全体の満足度やロイヤルティを間接的に評価する指標(ユーザビリティ単体ではなく、体験全体への推奨度を測る
タスク成功率・エラー率・操作時間など 改善の効果を数値で把握

 
 

ユーザビリティテストの全体像

ユーザーテストは、ユーザビリティ改善の中心的な手法です。まず、評価目的を明確にし、対象ユーザーやタスクを設定します。テスト中はユーザーの操作を観察し、問題点を記録します。テスト後には、定性的な発見と定量的なデータを整理して分析し、改善施策を具体化します。効果的なユーザーテストでは、タスクの優先度や操作環境の多様性を考慮することで、実務に即した改善策を導き出せます。

 

アクセシビリティ評価と法的規制対応

近年、アクセシビリティ対応はユーザビリティ改善の重要な側面として注目されています。視覚・聴覚・運動などに制約のあるユーザーでも利用しやすい設計は、企業の社会的責任や法的義務にも関わります。WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)に基づく評価や支援技術の対応状況の確認は、障害の有無に関わらず全ユーザーにとっての利便性向上にもつながります。日本国内では、WCAG を踏まえた JIS X 8341-3:2016 や障害者差別解消法に基づく合理的配慮の提供が求められており、これらの法的規制やガイドラインを遵守することで、リスクを回避しつつ、ブランド価値を高めることが可能です。

 

ユーザビリティを向上させるための5つの調査・評価手法

ユーザビリティは一度作って終わりではなく、客観的な調査に基づいて継続的に改善していくものです。プロジェクトのフェーズや予算に合わせて、以下の5つの手法を組み合わせて実施することが効果的です。

 

ユーザビリティテスト(対面・リモート検証)

実際のユーザーに製品を操作してもらい、その様子を観察する手法です。

  • 内容: 特定のタスク(例:商品を購入する、会員登録をする)を依頼し、どこで操作が止まったか、どこで誤解が生じたかを記録します。
  • メリット: 開発者側では気づけない「ユーザーの生の迷い」を直接特定できるため、最も改善効果が高い手法です。

 

ヒューリスティック評価(専門家による分析)

UXデザインの専門家が、UI設計の定石や原則(ニールセンの5原則など)に照らし合わせて、問題点を抽出する手法です。

  • 内容: 「一貫性が保たれているか」「エラーメッセージは適切か」など、専門的なチェックリストを用いて評価します。
  • メリット: 実際のユーザーを集めるコストがかからず、短期間で網羅的な課題を洗い出せます。

 

アクセス解析(数値によるボトルネック特定)

Googleアナリティクスなどのツールを用いて、ユーザーの行動を数値で分析する手法です。

  • 内容: 特定のページでの離脱率、ボタンのクリック率、滞在時間などを確認します。
  • メリット: 多くのユーザーの行動傾向を把握でき、「どこで多くの人が離脱しているか」という課題の場所を客観的に特定できます。

 

アンケート・インタビュー(定性的な満足度調査)

ユーザーに対して、使い心地や不満点を直接問いかける手法です。

  • 内容: 「操作に迷った箇所はあったか」「満足度はどのくらいか」などをヒアリングします。
  • メリット: 数値(アクセス解析)だけでは見えてこない、ユーザーの心理的な負担や期待値を把握できます。

 

プロトタイプ検証(開発初期の認識合わせ)

本格的な開発に入る前に、ワイヤーフレームやデザインカンプ(試作品)を用いて検証する手法です。

  • 内容: デザインの段階で操作フローを確認し、ステークホルダーや一部のユーザーにフィードバックをもらいます。
  • メリット: 開発後の手戻り(修正コスト)を最小限に抑え、早い段階でユーザビリティの質を担保できます。

 

UI/UX改善の実践手法

操作フロー改善とワイヤーフレーム活用

ユーザビリティ改善の第一歩は、操作フローの見直しです。ユーザーが目的を達成するまでの手順を可視化し、無駄なステップや迷いやすい箇所を削減します。ワイヤーフレームを活用することで、画面設計の段階で操作の流れを検証し、改善案を迅速に試すことが可能です。初期段階でのワイヤーフレームレビューは、後の開発コスト削減にも直結します。

 

デザインパターンと一貫性の維持

UIの一貫性はユーザビリティに大きな影響を与えます。ボタンの配置や色使い、フォントサイズなどが画面ごとに変わると、ユーザーは迷いやすくなります。共通のデザインパターンやUIコンポーネントを定義し、全画面で統一して適用することで、学習コストを下げ、操作の直感性を高められます。また、デザインガイドラインを整備することで、複数人のデザイナーや開発者でも統一性を保つことが可能です。

 

フィードバックループの設計と改善効果測定

改善施策を実施したら、その効果を定量・定性両面で測定することが重要です。ユーザー行動の変化やタスク成功率の向上、満足度の改善などを定期的に分析し、次の改善策に反映させるフィードバックループを構築します。このサイクルを回すことで、ユーザビリティ改善は単発ではなく、継続的なサービス価値向上に直結します。

 

アクセシビリティやモバイル対応の最適化

現代のUX改善では、アクセシビリティ対応だけでなく、モバイル端末やタブレットなどマルチデバイスへの最適化も欠かせません。画面サイズや操作方法の違いによる操作性の低下を防ぐために、レスポンシブデザインやタッチ操作に適したUI設計を行う必要があります。これにより、あらゆるユーザーにとって快適な体験を提供でき、利用継続率や満足度の向上につながります。

 

業界別ユーザビリティ応用事例

ECサイトのコンバージョン向上事例

ECサイトにおけるユーザビリティ改善の代表例は、購入フローの簡略化や情報提示の最適化です。具体的には、商品検索や絞り込み機能の改善、カートまでのステップ短縮、決済方法の明確化が挙げられます。たとえば、ボタンの配置やラベル表現を統一するだけでも、ユーザーの迷いを減らしコンバージョン率が向上する事例があります。また、購入完了までの操作を可視化する進捗バーを導入することで、心理的負担を軽減し、離脱率の低下に成功したECサイトも少なくありません。

 

アプリ・サービスでのUX改善事例

スマートフォンアプリやWebサービスでは、ユーザーの直感的操作を阻害する要素を取り除くことが重要です。たとえば、初回利用時のオンボーディング画面を工夫し、必要な情報をステップごとに提示することで、アプリの習得速度が向上します。また、プッシュ通知やリアルタイムフィードバックを活用して、ユーザーの行動を促進するUX改善も効果的です。これにより、アプリの定着率や利用頻度が大幅に改善される事例があります。

 

BtoB・業務システムでの操作性改善事例

BtoBや業務システムでは、専門的な操作や複雑なデータ入力が求められることが多く、ユーザビリティが低いと作業効率に大きく影響します。改善例としては、入力フォームの自動補完やエラー表示の分かりやすさ、ダッシュボードの情報整理などがあります。特に、ユーザーの作業負荷を可視化し、頻繁に利用される操作を簡略化することで、作業効率と満足度の両方を向上させた事例が多数あります。

 

マルチデバイス対応によるUX改善の成果

現代のユーザーは、PC・スマホ・タブレットと複数のデバイスを使い分けます。そのため、デバイスごとの画面サイズや操作方法に応じたUX設計が必要です。レスポンシブデザインやモバイル向け操作改善により、どの端末でも直感的に操作できる環境を提供すると、離脱率の低下や利用時間の延長に寄与します。さらに、クラウド同期によるデータ連携や通知一元化などを組み合わせることで、シームレスな体験を提供することが可能です。

 

ユーザビリティ改善のステップと注意点

改善プロセスの設計(分析→仮説→改善→検証)

ユーザビリティ改善は、単発の修正では効果が限定的です。まず現状を分析し、ユーザー行動や問題点を可視化します。その上で改善仮説を立て、具体的な改善策を実施します。最後にユーザーテストやデータ分析で効果を検証し、必要に応じて再度改善を行います。このPDCAサイクルを意識したプロセス設計が、成果につながる改善活動の基本です。

 

チーム連携・社内文化の整備

ユーザビリティ改善は、デザイナーや開発者だけでなく、マーケティングやカスタマーサポートなど、多職種の協力が重要です。ユーザー目線を共有し、改善活動を定期的に議論する文化を醸成することで、施策の精度とスピードが向上します。また、改善の成果を社内に可視化することで、全社的なUX重視の意識を高める効果もあります。

 

改善優先順位の決定とROI評価

すべての改善を同時に行うことは現実的ではありません。ユーザビリティの問題点を洗い出したら、影響度や実施コストに基づき優先順位を決定します。特に、コンバージョンや離脱率に直結する箇所の改善は優先度が高く、ROI(投資対効果)の視点で施策を評価することが重要です。効果の大きい改善から実行することで、限られたリソースでも効率的に成果を上げられます。

 

改善の定着化と継続的なPDCAサイクル

ユーザビリティ改善は一度行えば終わりではなく、ユーザーの行動や市場の変化に応じて継続的に改善を行う必要があります。定期的なユーザーテストやアクセス解析を通じて新たな課題を発見し、改善施策を繰り返すことで、ユーザー満足度や業務効率の向上を持続的に実現できます。また、改善の成果をドキュメント化し、ナレッジとして蓄積することで、社内での改善活動を体系化できます。

 

最新トレンドと今後のUX設計

AIや自動分析を活用したユーザビリティ評価

最近では、AIや機械学習を活用してユーザー行動を自動分析する手法が注目されています。クリックやスクロールのパターンを解析することで、ユーザーが迷いやすい箇所や離脱ポイントを定量的に把握可能です。また、チャットボットや音声UIの操作データを分析し、UX改善に活用する事例も増えています。AIを取り入れることで、従来のユーザーテストでは見えにくかった課題の発見や改善案の候補抽出が可能になりますが、最終的な判断や優先順位付けには人間による検証や意思決定を併用することが重要です。

 

パーソナライズ・UX最適化の事例

ユーザーごとに最適化されたUXは、満足度向上と行動誘導に大きく貢献します。たとえば、過去の閲覧履歴や購入履歴に基づきおすすめコンテンツを提示したり、ユーザーの利用状況に応じた操作ガイドを表示したりすることで、直感的でストレスの少ない体験を提供できます。パーソナライズされたUXは、特にECサイトやサブスクリプションサービスで顧客維持率の向上に直結しています。

 

ユーザビリティ設計における倫理・プライバシー配慮

UX改善においてデータ活用は不可欠ですが、個人情報や行動履歴の取り扱いには慎重な配慮が求められます。過剰なデータ収集や操作誘導はユーザーの信頼を損ねるリスクがあります。プライバシー保護を遵守しつつ、ユーザーにとって透明性の高い設計を行うことが、長期的なUX改善とブランド信頼の向上に欠かせません。

 

まとめ

ユーザビリティは、単に「操作しやすさ」を追求するだけでなく、ユーザー体験全体の価値向上につながる重要な指標です。評価方法や指標を理解し、定性的・定量的なデータに基づく改善を継続することで、離脱防止やコンバージョン向上、業務効率化など多方面で成果を上げられます。さらに、マルチデバイス対応やAI活用、パーソナライズなど最新トレンドを取り入れることで、現代のユーザーが求める直感的で快適な体験を提供できます。ユーザビリティ改善は一度の施策ではなく、継続的なPDCAサイクルとして実施することで、サービスの競争力とユーザー満足度を確実に高めることが可能です。

 

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