システム開発手順とは?エンジニア視点でわかる工程とUI工程まで含めた全体像

公開日:2026/01/19 更新日:2026/01/19
  • Web開発

システム開発手順とは?エンジニア視点でわかる工程とUI工程まで含めた全体像

公開日:2026/01/19 更新日:2026/01/19
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初めに

システム開発に関わる中で「開発手順」や「工程」という言葉を耳にする機会は多いものの、それぞれの工程がどのような目的を持ち、どの順序で進み、どのようにUI工程と関係しているのかを体系的に説明できる人は多くありません。特にエンジニアや企画担当者にとって、工程理解が曖昧なままでは認識ズレや手戻りの原因になりがちです。
システム開発は、単にコードを書く作業ではなく、複数の工程が相互に依存しながら進む知的生産活動です。その全体像を把握せずに部分的な作業だけを進めてしまうと、「なぜこの仕様になっているのか」「なぜこの修正が難しいのか」といった疑問に答えられなくなります。結果として、開発効率の低下や品質問題につながるケースも少なくありません。
本記事では、システム開発手順の全体像をエンジニア視点で整理し、各工程の役割やつながり、UI工程との関係性まで含めて解説します。単なる工程一覧ではなく、「実務で判断・説明に使える理解」を目的とし、開発現場でよく起こる課題や誤解にも触れながら、実践的な視点で整理していきます。

システム開発手順とは何か

システム開発手順の基本的な考え方

システム開発手順とは、システムを企画段階から運用・改善まで進めるための一連の流れを整理した枠組みです。重要なのは、単なる作業の時系列ではなく、「目的 → 判断 → 成果物 → 次工程への引き渡し」という因果関係で構成されている点にあります。

各工程は独立して存在しているわけではなく、前工程での判断やアウトプットが次工程の前提条件になります。たとえば、要件定義で曖昧なまま残された仕様は、設計工程で解釈の揺れを生み、実装やテスト工程で手戻りを引き起こします。このように、手順は工程同士をつなぐ「思考と判断の流れ」として捉える必要があります。

エンジニア視点で見ると、システム開発手順は品質・コスト・スケジュールを安定させるための共通言語とも言えます。開発手順を理解していれば、自分の担当範囲が全体のどこに位置し、どのような影響範囲を持つのかを意識した判断が可能になります。これは、単なる作業者ではなく、開発を前に進める技術者としての視座を持つために欠かせない考え方です。

また、開発手順はウォーターフォールやアジャイルといった開発手法を問わず存在します。手法の違いは工程の進め方や反復の仕方にありますが、「何を決め、何を作り、何を検証するか」という基本構造は共通しています。ただし、アジャイルではこれらの活動を短いサイクルで反復し、工程の境界が重なり合いながら進むことが多いため、直線的な順番としてではなく「繰り返し前提の流れ」として捉えることが重要です。

工程と手順の違い

「工程」と「手順」は現場で混同されがちですが、意味合いには明確な違いがあります。工程とは、要件定義・設計・実装・テストといった作業の区切りを示す概念であり、「何をするフェーズか」を表します。一方で、手順はそれらの工程を「どの順序で、どのような意図を持って進めるか」という流れ全体を指します。

工程だけを理解している状態では、「次はこの工程だからこの作業をする」という受動的な進め方になりやすくなります。しかし、手順として理解していれば、「なぜ今この工程なのか」「この工程で何を確定させる必要があるのか」といった判断軸を持つことができます。

たとえば、設計工程において詳細をどこまで詰めるかは、プロジェクトの特性やチーム構成によって変わります。工程という枠だけで考えると「設計はここまで」と固定的になりがちですが、手順として考えれば「後工程で迷わないために、どこまで決めるべきか」という観点で柔軟な判断が可能になります。

この違いを理解していないと、工程はこなしているのにプロジェクトが前に進まない、という状況に陥りやすくなります。手順とは、工程を意味のある流れとして機能させるための上位概念であると言えます。

システム開発の代表的な工程一覧

要件定義から設計までの流れ

システム開発の初期段階では、まず要件定義を行い、システムで実現すべき内容を明確にします。要件定義は「何を作るのか」を決める工程であり、ビジネス要件・業務要件・機能要件などを整理し、関係者間で合意を形成する役割を持ちます。

この段階での重要なポイントは、要件を単なる希望のリストとしてまとめるのではなく、背景や目的を含めて整理することです。なぜその機能が必要なのか、どの業務をどのように改善したいのかを明確にすることで、後工程での判断がしやすくなります。

要件定義をもとに進む設計工程では、システムの構造を具体化していきます。基本設計では、システム全体の構成や主要な機能、画面構成、外部連携の概要などを整理し、詳細設計では、処理ロジックやデータ構造、API仕様などを具体的に定義します。※なお、「基本設計/詳細設計」や「画面構成をどの工程で扱うか」といった区分・呼称は、組織や開発手法によって異なる場合があります。

この流れの中でUI工程と連携することは非常に重要です。画面構成や操作フローを早い段階で検討することで、ユーザー視点での使いやすさを担保できるだけでなく、実装段階での仕様変更リスクを減らすことにもつながります。UIを後回しにすると、「動くが使いにくいシステム」になりやすいため、設計段階からUIを含めた検討が不可欠です。

実装・テスト・運用の位置づけ

設計内容が固まると、実装工程に進みます。実装では、設計書をもとにプログラムコードを作成し、システムとして動作する形にしていきます。この工程では、設計の妥当性が実装のしやすさとして現れるため、設計品質が直接的に影響します。

実装後はテスト工程に入り、単体テスト・結合テスト・システムテストなどを通じて、仕様どおりに動作するかを確認します。テストは単なるバグ探しではなく、「要件が正しく実現されているか」を検証する工程です。そのため、要件定義や設計が曖昧だと、テスト基準も曖昧になり、品質を担保しにくくなります。

運用工程は、システムリリース後の保守・改善を担う工程です。多くの現場では「開発が終わったら完了」と考えられがちですが、実際には運用・改善フェーズでシステムの価値が高まるケースが多いと言えます。運用で得られた知見やユーザーの声を次の改善につなげることで、システムは成長していきます。

開発手順全体を理解していれば、運用を見据えた実装や設計が可能になります。たとえば、ログ設計や拡張性を考慮した構造は、運用フェーズでの負担を大きく減らします。

エンジニア視点で見る工程の役割

エンジニアが意識すべき判断ポイント

エンジニアは、単に与えられたタスクをこなす存在ではなく、工程間の影響を考慮しながら判断する役割を担っています。たとえば、設計段階での技術選定は、実装スピードだけでなく、テストのしやすさや運用コストにも影響します。

また、実装時の設計解釈や例外処理の扱いも、後工程に影響を与えます。「とりあえず動くから良い」という判断は、テスト工程や運用工程での負担を増やす可能性があります。エンジニアが工程全体を理解していれば、短期的な効率と長期的な品質のバランスを考えた判断が可能になります。

工程をまたいだ視点を持つことは、エンジニアとしての信頼性を高める要素でもあります。単なる実装担当ではなく、「この判断は全体にどう影響するか」を説明できるエンジニアは、プロジェクトにおいて重要な存在になります。

工程理解が浅いことで起きる問題

工程理解が浅いまま開発を進めると、問題は表面化しにくい形で蓄積されていきます。たとえば、「後で直せばいい」という判断が繰り返されることで、技術的負債が増大し、最終的に大きな手戻りにつながるケースがあります。

また、他職種とのコミュニケーションにおいても、工程理解の浅さは障害になります。要件定義や設計の意図を理解していないと、仕様変更の影響範囲を正しく説明できず、不要な対立や誤解を生む原因になります。

手順を体系的に理解していれば、「どの工程で何が決まっていなかったのか」「なぜこの問題が発生したのか」を論理的に説明できます。これは、トラブル対応だけでなく、再発防止策を考える上でも重要な視点です。

UI工程とシステム開発手順の関係

UI工程が組み込まれるタイミング

UI工程は、プロジェクトによっては実装直前にまとめて画面を作る形になりがちですが、理想的には要件定義や設計段階から関与します。ユーザーがどのような操作を行い、どのような情報を必要とするのかを早い段階で可視化することで、要件漏れや認識ズレを防ぐことができます。

UIを後回しにすると、設計や実装が固まった後で「使いにくい」「業務フローに合わない」といった問題が発覚し、大きな手戻りにつながることがあります。手順の中にUI工程を明確に位置づけることで、こうしたリスクを減らすことができます。

UI設計とバックエンド工程の連携

UI設計とバックエンド設計は、切り離して考えることはできません。画面遷移や入力項目は、API設計やデータモデルに直接影響します。UI側で必要とされる情報がバックエンドで提供できない場合、無理な実装や複雑な処理が発生する原因になります。

逆に、バックエンドの制約を理解した上でUIを設計すれば、実装しやすく、保守性の高いシステムになります。工程を分断せず、相互に影響し合うものとして捉えることが、品質の高いシステム開発につながります。

システム開発手順を実務で活かすコツ

工程を説明・共有するための考え方

システム開発手順の理解は、自分自身の作業効率を高めるだけでなく、チーム全体の認識を揃えるためにも重要です。工程ごとの目的や成果物を言語化し、なぜその工程が必要なのかを説明できる状態を目指しましょう。

特に、エンジニアが非エンジニアに対して工程を説明できるようになると、プロジェクト全体の合意形成がスムーズになります。説明できるレベルまで理解することが、手順を実務で活かす第一歩です。

プロジェクト改善に手順理解を活かす方法

プロジェクトがうまくいかなかった場合も、感覚的に反省するのではなく、手順を軸に振り返ることで改善点を整理できます。「どの工程で判断が不足していたのか」「どの引き渡しが曖昧だったのか」を明確にすることで、次のプロジェクトに具体的な改善策を持ち込むことができます。

システム開発手順の理解は、単なる知識ではなく、継続的な改善を支える思考フレームです。工程を俯瞰し、手順として捉える視点を持つことで、エンジニアとしての判断力と説明力は確実に向上します。

まとめ

システム開発手順とは、システム開発を作業の羅列ではなく、目的・成果物・判断の流れとして整理するための考え方です。各工程の役割や関係性を理解することで、手戻りや認識ズレを防ぎ、開発全体の質と効率を高めることができます。

エンジニアがシステム開発手順の全体像を把握していると、自身の作業をプロジェクト全体の文脈で捉えられるようになり、より適切な判断や改善提案が可能になります。日々の開発の中で工程を意識し、プロセスそのものを見直す視点を持つことが、安定した開発につながります。

 
 
 
 
 

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