【完全版】ノーコード受託開発ガイド|費用相場・依頼方法・会社選び・開発の流れを徹底解説
- Web開発
- アプリ開発
初めに
ノーコード受託開発とは?概要と特徴
ノーコード開発の基本の仕組み
ノーコード開発とは、プログラミング言語を使わずにアプリケーションやシステムを構築できる開発手法です。従来であれば HTML/CSS や JavaScript、サーバーサイド言語、データベース設計など専門知識が求められる領域を、視覚的なUIエディタやあらかじめ用意されたコンポーネントによって短期間で構築できます。
ノーコードツールには多様な種類があり、代表例として以下が挙げられます。
- Bubble:最も自由度が高く、本格的なWebアプリを構築可能
- Glide:スプレッドシートベースで業務アプリに強い
- Adalo:モバイルアプリ向けで、デザインと機能構築が容易
- Airtable:高機能データベースとして多用途
- Make / Zapier:業務プロセス自動化(自動連携)に特化
これらのツールはサーバー管理や環境構築の多くをツール側に任せられ、UIとデータベースを一元管理できるため、開発者は機能設計に集中できます。この「インフラ構築・運用の負担が小さい」という点が、スピード開発と低コストを実現する大きな要因になっています。
またノーコードはプロトタイピングと本番開発を統合できるため、アイデア検証→改善→本番ローンチまでの流れを短期間で完結できるのも大きな特徴です。
従来開発との違い(工数・品質・スピード)
ノーコード開発の最大の違いは「工数とスピード」です。従来のシステム開発は以下の工程に分かれ、各工程で専門スキルが求められます。
- UIデザイン
- フロントエンド開発
- バックエンド開発
- データベース構築
- サーバー構築
- デプロイ
一方ノーコードはそれらを1つのツール上で実現できるため、複数人で担当する作業が1人または少人数で対応でき、開発工数が大幅に圧縮されます。
スピードの比較イメージ:
- 従来開発:3〜6ヶ月
- ノーコード:2週間〜2ヶ月
ただし品質についてはツールの仕様に依存するため、複雑なビジネスロジックや大量トラフィック処理が必要なケースでは限界が生じる場合があります。しかし業務アプリやBtoCサービスの初期段階であれば、適切な設計により十分高品質なものを構築できます。
どんな開発が向いているか(向き・不向き)
向いている領域
- MVP(最小実用プロダクト)
- 社内管理ツール(在庫管理、予約管理、顧客管理)
- フォーム・受付システム
- BtoCのシンプルな会員制アプリ
- 社内向けワークフロー管理
- 部署間連携の自動化システム
不向きな領域
- 複雑なAIアルゴリズムを用いるアプリ
- 大規模なトラフィックが前提となるSNSの本番運用・動画配信サービスなど
- 0.1秒単位のリアルタイム処理が求められる機能
- 高度なセキュリティ基準(例:金融レベル)が必須のもの
ただし、ノーコードとコード開発を組み合わせる「ハイブリッド開発」を行うことで、ノーコードの弱点を補いながら開発することも可能です。
ノーコード受託開発のメリット・デメリット
スピード開発・コスト削減のメリット
ノーコードのメリットを実務観点から整理すると、以下の3点が特に重要です。
1. 圧倒的なスピード
デザイン・機能・データを1つのツール上で構築できるため、要件がフィットするケースでは従来開発と比べて2〜5倍程度のスピードで進むことも少なくありません。社内の意思決定やマーケティング計画と開発スケジュールを同期しやすく、事業成長スピードを加速しやすくなります。
2. コスト削減
- 従来開発:100〜500万円
- ノーコード:30〜200万円
といったケースが一般的で、プロトタイプから本番ローンチまでを比較的低予算で実現しやすくなります。ただし、ノーコード案件であっても、画面数が多いSaaS型サービスや複雑な外部API連携を伴う場合などは、200〜600万円程度まで上振れするケースもあります。
3. 修正コストの低さ
仕様変更が発生した際、従来開発ではコード修正や追加開発コストが大きくなりますが、ノーコードは画面操作で修正できるため、柔軟に対応できます。
自由度や拡張性などのデメリット
ノーコードの課題としてよく挙げられるのが、プラットフォーム依存による制約です。
- カスタムコードの制限
- 外部サービス連携の制限
- ツール側のアップデート依存
- データ量の上限
- パフォーマンス面の限界
こうしたデータベースやパフォーマンスの制約は、Bubble・Glide・Airtable・Adalo などツールごとに大きく異なるため、想定データ量や利用シナリオに合ったツール選定が重要になります。
ノーコード特有の制約と対処法
ノーコード開発で失敗しないためには、制約に対して次のように対処することが有効です。
- 要件定義でMust / Should / Couldを明確にする
- 外部APIで不足機能を補う
- データ量が増える前提で構造を設計する
- ツールの選定段階で最適なものを決定する
これにより多くの制約は解消または回避することができます。
ノーコード受託開発の費用相場と内訳
アプリ・システム別の費用相場
ノーコード受託開発の代表的な費用相場は以下の通りです。
特に業務改善系のアプリはノーコードと相性が良く、費用対効果が高くなります。
工数・機能要件による価格変動
価格は以下によって変動します。
- 画面数
- 外部連携の数(API等)
- 会員機能の有無
- 管理画面の複雑さ
- データ構造の複雑性
- UIデザインのレベル
- オリジナルデザイン or テンプレート
特に外部サービス連携(API)は工数が増えるため、費用が上がりやすい傾向にあります。
見積もり依頼時のチェックポイント
以下の点は必須で確認すべき項目です。
- 同業種・同規模の開発実績があるか
- 使用ツールを明確に説明できるか
- 見積もりの根拠が明確か
- 開発後の保守があるか
- 範囲外対応の条件が明確か
曖昧なまま契約すると後から追加費用が発生しやすく注意が必要です。
ノーコード受託会社の選び方
実績・専門領域の見極め方
ノーコードはツールごとの専門性が非常に重要です。特に以下を確認すると失敗を避けられます。
- 類似プロダクトの実績
- BtoC / BtoB どちらが得意か
- UI / UX に強いか
- Bubble / Glide / Adalo など複数対応か
- プラットフォーム依存や将来的な仕様変更への対応
- データ所有権やエクスポート可否、運用後の保守・拡張対応
対応できるツール(Bubble, Glide, Adalo 等)
ツールごとの強みは次の通りです。
- Bubble:自由度が高く本格的なWebアプリ向け
- Glide:社内向け業務アプリに最適
- Adalo:ネイティブ風モバイルアプリ向け
- Airtable:データ管理の要に強い
- Make / Zapier:自動化と連携の強化
複数ツールに対応している会社は、要件に合った最適な選択を提案できます。
失敗しない会社選定の基準
信頼できる会社の特徴は以下です。
- 要件定義段階から伴走する
- 制約を正直に説明してくれる
- 将来の拡張に配慮した設計を行う
- 運用サポートまで一貫提供している
- 見積もり・スケジュールが透明
ノーコード受託開発の進め方と成功ポイント
要件定義で決めるべき項目
ノーコードでは設計の精度が成果物の品質を決めます。必ず以下を整理します。
- プロダクトの目的
- 最重要KPI
- 必須機能と優先順位
- 想定ユーザーと行動フロー
- データ構造
- 運用後の改善方針
開発の流れ(要件整理〜公開まで)
一般的な進行は以下の通りです。
- ヒアリング
- 要件整理
- 画面構成・データ設計
- アプリ構築
- 検証・テスト
- 公開
- 運用開始
必要な工程自体は従来開発と大きくは変わりませんが、コンポーネントベースでUIを組み立てたり、データ構造と画面仕様を密接に設計したりするなど、ノーコード特有のノウハウがあります。また、短いスパンで改善サイクルを回しやすい点も特徴です。
プロジェクトトラブルを避けるコツ
ノーコード特有のトラブルを避けるためには以下が効果的です。
- 仕様書(Notion等)で認識のズレをなくす
- 範囲外対応の条件を合意しておく
- 開発途中の要件変更ルールを設定
- 完了条件(DoD)を明確にする
- 進行管理ツール(Jira、ClickUpなど)を使う
まとめ
ノーコード受託開発は、スピード・コスト・柔軟性の面で非常に優れた開発手法であり、スタートアップのMVPや企業の新規事業、社内向けの業務効率化ツールなど、さまざまな場面で従来開発よりも適した選択肢となるケースが増えています。一方で、すべてのプロジェクトで従来開発より優れているわけではなく、ツールごとの特性や制約を理解せずに進めると、後の改善コストが増える場合もあります。本記事で紹介した会社選びのポイントや要件整理の重要性を押さえておくことが、成功への近道になります。
ノーコード受託開発を検討する際は、複数の開発会社や専門パートナーから見積もりや提案を比較し、自社の目的や運用体制に合った選択をしていくことが大切です。要件整理やベンダー選びに迷う場合は、外部の専門家や相談窓口を活用しながら、最適なプロジェクト体制を整えていきましょう。
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