デザインシステムとは?目的・要素・導入メリットを徹底解説

公開日:2026/01/16 更新日:2026/01/16
  • Web開発
  • アプリ開発

デザインシステムとは?目的・要素・導入メリットを徹底解説

公開日:2026/01/16 更新日:2026/01/16
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初めに

現代のWebやアプリ開発では、複数プロダクトで一貫したデザインを維持することが求められています。しかし、個人の裁量に任せたデザインでは、ブランドイメージの不統一やUXのばらつきが生じ、開発効率も低下します。本記事では「デザインシステムとは何か」を基本から解説し、その目的や構成要素、導入メリットや運用のポイントまで具体例を交えて紹介します。これを読むことで、自社やプロジェクトに適したデザインシステムの活用方法が理解できます。

デザインシステムとは何か

デザインシステムの定義

デザインシステムとは、UI/UXの一貫性を保つために、デザインルールや再利用可能なUI資産を体系的にまとめた仕組みです。
単に色やフォントを定めるだけでなく、ボタンやフォームといったUIコンポーネント、画面構成の考え方、さらには実装ルールまで含めて整理されている点が特徴です。

Webやアプリ開発では、画面数や機能が増えるにつれて、個別対応によるデザイン判断が限界を迎えます。その結果、UIのばらつきやUX品質の低下、修正コストの増大といった問題が発生します。デザインシステムは、こうした課題を根本から解決するための「共通基盤」として機能します。

具体的には、次のような要素が一つの仕組みとして整理されます。

  • 色・フォント・余白などのデザインルール
  • 再利用可能なUIコンポーネント
  • 画面設計や振る舞いを定義するデザインパターン

これらを一元管理することで、担当者やチームが変わっても、プロダクト全体で統一されたUI/UXを安定して提供できるようになります。

 

デザインシステムとガイドラインの違い

デザインシステムは、従来のデザインガイドラインやスタイルガイドと混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。
ガイドラインは「どうあるべきか」を説明する資料であるのに対し、デザインシステムは「そのまま使える仕組み」として設計されています。

違いを整理すると、以下のようになります。

項目 デザインガイドライン デザインシステム
役割 ルールの説明 実務で使う基盤
内容 色・フォントなどの指針 ルール+UI部品+運用
実装との関係 間接的 直接的

例えば、ガイドラインでは「ボタンはブランドカラーを使用する」と記載されるだけですが、デザインシステムでは、ボタンのコンポーネント自体が用意され、状態別のデザインや実装方法まで定義されています。
つまり、**ガイドラインが“読むもの”だとすれば、デザインシステムは“使うもの”**だと言えます。

 

歴史と背景

デザインシステムが広く注目されるようになった背景には、プロダクト開発環境の変化があります。
サービスの成長に伴い、画面数や機能が増え、複数チームが並行して開発を進めるケースが一般的になりました。

このような状況では、個人の裁量に依存したデザイン運用では整合性を保てず、UXのばらつきやブランドイメージの低下が問題になります。
こうした課題に対応するため、Googleの「Material Design」やIBMの「Carbon Design System」のように、コンポーネントやコードを含む包括的なデザインシステムが登場しました。

現在では、デザインシステムは単なるデザイン管理手法ではなく、デザインと開発をつなぐ共通言語として、プロダクト品質を支える重要な役割を担っています。

 

デザインシステムを導入する目的

ブランドの一貫性確保

デザインシステムを導入する大きな目的の一つが、ブランドの一貫性を維持することです。
複数の画面やプロダクトを運用していると、ボタンの色やサイズ、見出しのスタイルなどが少しずつズレていきがちです。

こうしたズレは、ユーザーにとって無意識の違和感となり、「使いづらい」「分かりにくい」という印象につながります。
デザインシステムによってUIの判断基準を統一することで、どの画面でも同じ体験を提供でき、サービス全体への信頼感が高まります。

結果として、UXの安定だけでなく、ブランド価値の維持・向上にも寄与します。

 

開発効率とUX向上

デザインシステムは、適切に設計・運用されれば、開発効率の向上やUX品質の安定につながります。
再利用可能なUIコンポーネントが整備されていれば、毎回ゼロから画面を設計・実装する必要がなくなります。

例えば、ログインフォームやモーダルウィンドウなどの共通UIを流用することで、設計・実装・レビューの工数を削減できます。
また、実績のあるUIパターンを使うため、UXの品質も一定以上に保たれます。

このように、デザインシステムは「早く作るための仕組み」であると同時に、「失敗しにくいUXを作るための仕組み」でもあります。

 

デザイナーと開発者のコミュニケーション改善

デザインシステムは、デザイナーと開発者の間に生じやすい認識のズレを減らす効果もあります。
従来は、デザインカンプや仕様書をもとに実装を進める中で、「思っていた見た目と違う」といった手戻りが発生しがちでした。

デザインシステムがあれば、共通のコンポーネントやルールを参照しながら作業できるため、意図の解釈違いが起こりにくくなります。
これは単なる作業効率の向上にとどまらず、チーム全体の生産性やプロダクト品質の安定にもつながります。

 

デザインシステムの主要要素

コンポーネントライブラリ

コンポーネントライブラリは、デザインシステムの中核となる要素です。
ボタン、フォーム、ナビゲーション、カードなど、UIを構成する部品を共通ルールで定義し、再利用可能な形で管理します。

これにより、UIのばらつきを防ぎながら、保守性の高い設計が可能になります。

デザインパターンとルール

デザインパターンは、複数のコンポーネントをどのように組み合わせるかを示したものです。
一覧画面、検索結果画面、エラー表示などの構成をパターン化することで、画面設計の属人化を防ぎます。

ルールが明確であれば、誰が設計しても一定水準のUIを保つことができます。

 

トークン・スタイルガイド

トークンは、色やフォントサイズ、余白などを変数として管理する仕組みです。
トークンを使うことで、デザイン変更が発生した場合も、全体に一貫して反映できます。

スタイルガイドは、これらのルールや考え方を文書として整理し、チーム全体で共有するための基盤となります。

 

デザインシステムの導入手順

現状分析と課題整理

デザインシステムの導入で最も重要なのは、最初に「現状を正しく把握すること」です。
いきなり理想的なデザインシステムを作ろうとすると、運用が追いつかず、結果として使われない仕組みになってしまうことが少なくありません。

まずは、既存の画面やコンポーネントを洗い出し、どのようなデザインが使われているのかを整理します。その中で、同じ役割のUIなのに見た目や挙動が異なっている箇所、デザイン判断が属人化している箇所を明確にします。

例えば、以下のようなポイントは優先的に確認すべき対象です。

  • ボタンやフォームの見た目・サイズが画面ごとに異なっている
  • エラーメッセージや注意文の表現が統一されていない
  • デザイナーや担当者によってUIの判断基準が異なる

こうした課題を整理することで、「どこから標準化すべきか」「何をデザインシステムに含めるべきか」が明確になります。

 

コンポーネント・ルール設計

現状の課題が整理できたら、次にコンポーネントとデザインルールの設計に進みます。
この段階で重要なのは、最初からすべてを網羅しようとしないことです。

実務では、使用頻度が高く、影響範囲の大きいUIから優先的に定義する方が、導入効果を実感しやすくなります。
例えば、ボタンや入力フォーム、見出し、カラーセットなどは、多くの画面で共通して使われるため、初期設計の対象として適しています。

また、コンポーネント設計では見た目だけでなく、「どのような場面で使うのか」「どの状態が存在するのか」を明確にすることが重要です。
状態(通常・ホバー・無効など)やレスポンシブ時の振る舞いまで定義することで、実装時の迷いを減らすことができます。

 

運用ルールと継続改善

デザインシステムは、作成して終わりではなく、運用し続けることで初めて価値を発揮します。
運用ルールが曖昧なままだと、次第に独自ルールが増え、再びUIが分散してしまいます。

そのため、次のような点をあらかじめ決めておくことが重要です。

  • 新しいコンポーネントを追加する際の判断基準
  • 既存コンポーネントを変更する場合の影響範囲の確認方法
  • ドキュメントやルールを更新する責任者

また、プロダクトの成長に合わせて定期的に見直しを行い、不要になったルールやコンポーネントを整理することも欠かせません。
デザインシステムは「固定された完成品」ではなく、育て続ける仕組みとして捉えることが重要です。

 

導入・運用の成功事例と注意点

成功事例の紹介

デザインシステム導入の成功事例に共通しているのは、「小さく始めて、段階的に拡張している」という点です。
最初から完璧な仕組みを目指すのではなく、課題の大きい部分から着手し、運用しながら改善を重ねています。

例えば、複数プロダクトを展開する企業では、共通UIをデザインシステムとして整理したことで、画面修正の工数が大幅に削減され、新機能開発に集中できるようになったケースがあります。
また、共通ルールが明文化されたことで、レビューや意思決定がスムーズになったという効果も見られます。

 

導入時によくある失敗例

一方で、デザインシステム導入がうまくいかないケースも存在します。
特に多いのが、「完成度を求めすぎて導入が進まない」「現場で使われない仕組みを作ってしまう」といった失敗です。

ドキュメントは整備されているものの、実際の開発では参照されず、結局これまで通りの作業に戻ってしまうケースも少なくありません。
こうした失敗の多くは、デザインシステムが現場の課題解決と結びついていないことが原因です。

導入初期は、網羅性よりも「使われること」を最優先に考える必要があります。

 

効果を最大化するポイント

デザインシステムの効果を最大化するためには、組織全体で目的を共有することが欠かせません。
デザイナーだけの取り組みにせず、開発者やプロダクトマネージャーとも意図を共有することで、継続的な改善が可能になります。

また、FigmaやStorybookなどのツールを活用すると、デザインと実装の参照先を揃えやすくなり、認識合わせやレビューの負荷を下げられる場合があります。
最終的には、「自社の規模やフェーズに合った形でデザインシステムを育てていく」という視点を持つことが、長期的な成功につながります。

 

まとめ|デザインシステムを「継続的な基盤」として活かすために

デザインシステムは、UIを統一するためのルール集ではなく、開発と運用を支える共通基盤です。
一貫したデザインを保ちながら、開発効率やチーム間の連携を高める役割を担います。

重要なのは、最初から完璧を目指さないことです。
現場でよく使われる要素から整備し、プロダクトの成長に合わせて改善を続けることで、実際に「使われる」デザインシステムになります。

自社のフェーズや体制に合った形で無理なく導入し、継続的に育てていくことが、長期的な価値につながるでしょう。

 

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