
「お問い合わせを増やしたい」「コンバージョン数を伸ばしたい」と考える企業担当者は少なくありません。Webサイトからの成果が思うように出ない背景には、導線設計やフォーム構成、ユーザー心理への配慮不足といった根本的な課題が潜んでいます。本記事では、“お問い合わせ”というCVポイントに特化し、成果を高めるための具体的な改善手法を徹底解説します。
コンバージョンとは?基礎から押さえる
WebマーケティングにおけるCVの定義
Webマーケティングにおける「コンバージョン(CV)」は、単なるクリックや閲覧とは異なり、明確な成果に直結する行動を意味します。たとえば、BtoCのECサイトでは「商品購入」、BtoBサイトでは「資料請求」「見積依頼」「お問い合わせ」などが代表的なCVとなります。
企業にとってCVは、Webサイトの運用目的そのものであり、KPI設定の中心に据えるべき重要指標です。CVの種類を明確にし、各ページにおける目標行動を定義しておくことで、施策の効果測定が可能になります。
CVの測定には、Google Analytics(GA4)などのアクセス解析ツールを活用します。例えば、あるランディングページからどれだけのユーザーがコンバージョンに至ったのか、どのチャネルが最も効果的かを定量的に把握できるため、施策のPDCAを回すために不可欠なデータとなります。
お問い合わせ=コンバージョンである理由
特にBtoBビジネスや高単価商材のサービス型ビジネスでは、「お問い合わせ」は重要なファネルの入り口です。ユーザーがわざわざフォームに情報を入力してまで連絡をしてくるという行動は、単なる興味ではなく、明確な検討段階に入っている証拠です。
そのため、Webサイト全体の目標は、「問い合わせを獲得するための導線をどのように設計するか」に帰結するといっても過言ではありません。また、CV後の営業活動(インサイドセールスやフィールドセールス)と連携することで、商談化率・受注率の向上にも直結します。
BtoBマーケティングでは、リードの質と量の両方が求められるため、「お問い合わせ数の最大化」はその起点として非常に価値のある指標なのです。
重要KPIとしての位置づけ
コンバージョン数(CV数)は、Webマーケティング全体の成果を数値化する重要なKPIです。PVやUU(ユニークユーザー)といったアクセス指標だけでは、本当に価値ある成果を得ているかどうかを判断するのは難しいですが、CVは明確に「成果」と呼べる数値です。
たとえば、「月間PVが10万を超えているのに、問い合わせは10件以下」という場合は、導線やフォーム、コンテンツ内容に何らかの改善余地があると判断できます。CV率(コンバージョンレート)も併せて観測し、業種や媒体ごとに目標を設定することがポイントです。
なぜお問い合わせ数が伸びないのか?
離脱ポイントとその原因分析
お問い合わせまでのプロセスでユーザーが離脱する主なポイントは以下の通りです。
- サービス内容が分かりづらい
- CTAボタンが目立たない、または配置が不適切
- フォーム入力が煩雑で長すぎる
- スマホでの表示が崩れている、入力しづらい
- 信頼性に乏しく、不安要素が拭えない
これらの問題は、ユーザーの「不安」や「面倒さ」に直結し、行動を阻害する原因となります。特にファーストインプレッションでの情報過多や営業色の強すぎるトーンは、離脱率を高める傾向があります。
ツールとしては、Google Analyticsでの「行動フロー」確認、ヒートマップツール(例:Mouseflow、Hotjar)でのユーザー視線分析、ページ遷移やスクロール完了率をチェックすることが有効です。
ユーザー心理と行動特性の理解
ユーザーは「いきなり行動」するわけではありません。一般的なユーザーフローは以下のような段階を経ます。
- 情報収集
- 比較検討
- 信頼性評価
- 行動決定(コンバージョン)
特にBtoBや高価格帯商材においては、これらの段階を丁寧にクリアしていく設計が必要です。たとえば、事例紹介があると「他社も使っているなら安心」、料金の目安があれば「予算内で相談できそう」と、心理的障壁が低下します。
そのため、「信頼獲得→納得→行動」のシナリオを踏まえて、コンテンツの配置や訴求順を設計することが、コンバージョン率改善に直結します。
競合サイトと比較すべきポイント
競合分析はCV改善に欠かせません。単にデザインや色使いを見るのではなく、以下のような構造面を比較しましょう。
- CTAの位置と頻度
- フォーム項目数と簡略化の度合い
- ナビゲーションの論理性と導線の滑らかさ
- レスポンシブ対応状況
- ファーストビューの印象と訴求力
「競合より手間が1ステップでも多い」だけで、ユーザーは離脱する可能性があるという意識を常に持ちましょう。
お問い合わせ数を増やす導線設計のポイント
ナビゲーションと導線設計の最適化
ユーザーが迷わずCVに至るには、「シンプルで分かりやすい導線設計」が重要です。具体的には以下のような工夫が効果的です。
- ナビメニューに「お問い合わせ」ボタンを常設
- サービス紹介ページから「事例紹介」→「お問い合わせ」へのシームレスな誘導
- ページ下部や記事末尾でのCTA表示
- スクロール時に追従する固定CTAの設置(例:フッターに常時表示)
導線設計は、サイト全体の設計方針とも密接に関係しています。
ユーザー行動データをもとに、導線の流れや配置を継続的に検証・改善することが求められます。
定期的な見直しを行うことで、ユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン率の向上につながります。
CTAの配置と文言改善
CTAの配置場所やコピーは、数%単位でCV率に大きな影響を与えます。以下の点に注目して改善を行いましょう。
- CTAは目立つ色で設計し、視認性を高める
- ページ上部、記事中間、記事下部に複数配置
- コピーには「ユーザーが得られる価値」を盛り込む
- 行動ハードルを下げるワードを使う(例:「無料」「1分で完了」)
ABテストにより文言や設置場所の効果を比較し、数値に基づいて改善を重ねることで、CV率の継続的な向上が期待できます。
たとえば、「お問い合わせはこちら」ではなく、「無料で専門家に相談する(所要1分)」のようにメリットを明示することで、クリック率が高まります。複数パターンを検証しながら、訴求力の高い導線設計を実現しましょう。
内部リンク・視線誘導の工夫
ユーザーがサイト内で自然にコンテンツを回遊できるようにするには、文脈に即した内部リンクが必要不可欠です。特に「課題→解決策→導入実績→CTA」のような情報構造を意識すると、離脱を防ぎつつCVへと導きやすくなります。
視線誘導には、以下の工夫が有効です。
- CTA周辺に余白をとって目立たせる
- アイコンや矢印を用いた視線のガイド
- 見出しのフォントサイズ・色の調整で重要性を明示する
F字型・Z字型の視線パターンを踏まえた設計により、ユーザーを自然に次の情報へ誘導できます。視線を引きつける色や画像の工夫、内部リンクの最適化は、CV率とSEOの両面で効果を発揮します。
フォーム改善でCV率を高める方法
入力項目の見直しと簡略化
多くのフォームは、初期設計のまま放置され、必要以上に多くの項目をユーザーに要求しています。ですが、「最初の接点」で求める情報は最小限にとどめるべきです。
- 最低限の3項目:氏名、会社名、メールアドレス
- 電話番号や詳細内容は、商談確定後にヒアリング
- 任意項目の明示化と、自動入力機能の実装
フォームを1画面に収める設計も、完了率を高めるコツです。
離脱防止のためのステップ最適化
入力完了までに負担を感じさせないUI設計として、「ステップフォーム」が注目されています。これは、1〜2問ずつ順に表示される形式で、心理的負荷を軽減します。
また、以下の工夫がCV率改善に効果を発揮します。
- 入力エラーの即時表示
- 入力内容の自動補完
- バリデーションの明確化(例:「半角英数字のみ可」)
これにより、途中離脱の防止とユーザー満足度の向上が同時に図れます。
スマホ対応・UX改善の重要性
現代のWebアクセスの大半はスマートフォンからです。にもかかわらず、スマホ表示で入力しづらいフォームは、BtoBであっても60%以上の流入がスマホからというケースは珍しくありません。そのため、モバイルUXへの最適化はCV向上の基本となります。
- ボタンサイズは指でタップしやすい40px以上を確保
- 入力フォームのピンチイン不要な表示サイズ
- 入力タイプの最適化(例:数字入力欄にはテンキーを表示)
レスポンシブ対応に加え、ユーザーテストを行うことで、実際の利用シーンを想定した設計が可能になります。
コンバージョン最大化のために今すぐできる施策
ヒートマップ・GA4を用いた分析
Webサイトの改善には、直感ではなく「定量的なデータ」に基づく判断が求められます。GA4のイベントトラッキングを活用すれば、フォーム到達率やCTAクリック率などを詳細に可視化できます。
ヒートマップツールを併用すれば、ページ上のどこに注目が集まっているか、どこで離脱しているかが一目で分かり、UI改善のヒントになります。
主なヒートマップツール
- Hotjar
- Microsoft Clarity
- UserHeat(日本語対応)
A/Bテストによる仮説検証
CV改善において、正解は1つではありません。仮説を持ち、実際にABテストを行って数値で裏付けることが重要です。
テスト対象例
- CTAの文言(例:「お問い合わせ」 vs 「無料相談」)
- フォーム項目数(3項目 vs 5項目)
- 写真の有無(担当者の顔を掲載する vs 無し)
ツールとしては、Google Optimizeのような無料ツールでも十分対応可能です。
成果につなげる改善PDCAサイクル
一度の改善で完璧なCV率が実現することは稀です。だからこそ、「小さな改善→検証→改善」のサイクルを繰り返すことが、最終的な成果に結びつきます。
PDCAサイクルの流れ
- Plan(計画):ヒートマップやGA4で課題を抽出
- Do(実行):仮説に基づいて改善施策を実施
- Check(検証):ABテストなどで数値比較
- Act(改善):有効な施策を本格導入
社内で定期的なレビュー体制を構築し、ナレッジを蓄積していくことで、組織としてのCV改善力が高まります。
まとめ・CTA
コンバージョン数を伸ばすためには、単なる施策の実行だけではなく、「ユーザー心理の深い理解」と「データに基づく継続的な改善」が必要です。自社サイトのCVに課題を感じている方、改善の優先順位が分からない方は、まずはお気軽にご相談ください。
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Y's Blog 編集部