クラウド型とは?業務システムをクラウド化するメリットと導入ポイントをわかりやすく解説
- Web開発
初めに
目次
クラウド型とは何か
クラウド型の基本的な仕組み
クラウド型とは、インターネットを通じてシステムやデータを利用する形態を指します。業務システムは自社内のサーバーではなく、クラウド事業者が管理するデータセンター上で稼働します。利用者はパソコンやタブレット、スマートフォンなどからログインするだけで、必要な機能や情報にアクセスできます。
この仕組みでは、サーバーの調達やハードウェアの保守、データセンター運用などのインフラ管理をクラウド事業者が担います。ただし、利用形態(SaaS/PaaS/IaaS)によって、OSやミドルウェアの更新・運用を利用者側で行う範囲は異なります。そのため、企業側は自社で担うべき運用範囲を見極めたうえで、システム運用の手間を減らし、本来注力すべき業務改善やサービス向上にリソースを集中できる点が大きな特徴です。
オンプレミスとの違い
オンプレミスは、自社内にサーバーを設置し、構築から運用・保守までを自社で行う形態です。自社要件に合わせて細かく設計できる反面、初期費用が高く、障害対応や老朽化対策などの負担が継続的に発生します。
一方、クラウド型ではインフラ管理を事業者に任せるため、初期投資を抑えやすく、必要に応じて利用規模を柔軟に変更できます。特に、利用者数やデータ量が変動しやすい業務システムでは、コストと運用負荷の両面で大きな違いが生まれます。
SaaSとの関係
SaaSは、クラウド型サービスの中でも、完成されたアプリケーションをそのまま利用する提供形態です。会計、勤怠管理、顧客管理など、業務に直結する分野で多く採用されています。
クラウド型はあくまで仕組み全体を指す概念であり、その中にSaaSがあります。自社独自の業務に合わせて構築するクラウド型システムと、すぐに使えるSaaSを適切に使い分けることで、コストと業務効率のバランスを取りやすくなります。
業務システムをクラウド化する背景
働き方の変化とリモート対応
近年、テレワークや外出先での業務、複数拠点での協働が当たり前になりつつあります。従来の社内ネットワーク前提の業務システムでは、VPN接続の手間や、回線・設計・同時接続数によっては通信が不安定になることがあり、業務効率を下げる要因になりがちです。
クラウド型の業務システムであれば、インターネット環境があれば場所を問わず同じ操作性で利用できます。これにより、働く場所に左右されない業務環境を整えやすくなり、従業員の生産性向上や柔軟な働き方の実現につながります。
システム運用コストの増大
オンプレミス環境では、サーバーやネットワーク機器の購入費用に加え、数年ごとの更新費用、保守契約費、障害対応の人件費など、継続的なコストが発生します。また、電力や設置スペース、空調といった間接的なコストも積み重なります。
クラウド化することで、これらの費用を月額や従量課金といった形で可視化しやすくなります。初期投資を抑えつつ、必要な分だけ利用する仕組みに切り替えられるため、コスト管理の面でも合理的な選択となります。
保守・人材不足の問題
業務システムの安定運用には、インフラやセキュリティに関する専門知識が欠かせません。しかし、IT人材の確保が難しくなる中、社内だけで運用を支え続けることは大きなリスクになっています。特定の担当者に依存すると、退職や異動時に業務が滞る可能性もあります。
クラウド型では、インフラの保守やセキュリティ対策、障害対応の多くをクラウド事業者が担います。その結果、社内担当者は日常的な運用管理や業務改善に集中でき、人材不足への現実的な対応策としても有効です。
クラウド化の主なメリット
初期費用と運用コストの削減
クラウド型では、サーバーやネットワーク機器を自社で購入・設置する必要がありません。そのため、導入時の初期投資を抑えられるケースが多く、オンプレミスで必要になりやすいサーバー調達・設置費用や保守費用の負担を軽減できます。
また、費用は月額や従量課金が中心となり、利用人数や機能に応じて調整できます。オンプレミスのように「将来を見越して過剰な設備を用意する」必要がなく、無駄なコストを発生させにくい点も特徴です。
さらに、保守契約費や障害対応の人件費、サーバー更新費用といった間接コストも削減でき、トータルでのITコスト最適化につながります。
場所に縛られない利用
クラウド型の業務システムは、インターネット環境があれば、オフィス、自宅、出張先など、どこからでも同じように利用できます。
これにより、テレワークや外出の多い営業担当者、複数拠点を持つ企業でも、リアルタイムに情報を共有できます。データが各端末に分散しないため、「最新情報が分からない」「二重入力が発生する」といった問題も起こりにくくなります。
結果として、意思決定のスピードが上がり、業務全体の効率化につながります。
拡張性とアップデート性
クラウド型は、事業の成長や組織変更に合わせて、利用人数や機能を柔軟に増減できます。人員増加や新規事業立ち上げの際も、短期間で対応できる点が大きな強みです。
また、(特にSaaSでは)システムのアップデートや機能追加はクラウド事業者側で実施されることが多く、利用者は常に最新の状態を保ちやすくなります。
一方で、IaaS/PaaSの場合はOSやミドルウェアの更新・設定など、利用者側で対応が必要な範囲が残るため、事前に責任分界点を確認しておくことが重要です。
これにより、セキュリティ対策や機能改善が提供側で継続的に反映される領域では、運用負担とリスクの両方を軽減できます。なお、法改正対応についてはサービス(特にSaaS)の種類や契約範囲によって対応内容が異なるため、事前に対応範囲を確認しておくことが重要です。
クラウド型導入時の注意点
セキュリティと権限管理
クラウド型は高度なセキュリティ対策が施されている一方で、「利用者側の設定」が安全性を大きく左右します。特に注意すべきなのが、誰が・どこまで・何にアクセスできるのかという権限管理です。
必要以上に広い権限を与えてしまうと、操作ミスや内部不正による情報漏えいリスクが高まります。そのため、役割ごとに権限を細かく分ける「最小権限の原則」を意識した設計が重要です。
加えて、多要素認証の有無やログ管理の仕組みも確認しておくことで、セキュリティ事故を未然に防ぎやすくなります。
既存システムとの連携
業務システムをクラウド化する際、多くの場合で既存システムとのデータ連携が課題になります。会計、基幹システム、外部サービスなどと情報をやり取りできないと、二重入力や業務の分断が発生します。
事前に、API連携の可否や標準連携機能の有無を確認しておくことが重要です。連携方法によっては追加開発や運用ルールの見直しが必要になるため、導入後の業務フローを具体的に想定した検討が欠かせません。
ランニングコストの考え方
クラウド型は初期費用を抑えられる反面、月額費用が継続的に発生します。そのため、短期的な金額だけでなく、数年単位でのトータルコストを試算することが重要です。
利用人数の増減やオプション機能の追加によって費用が変動するケースも多く、契約内容を把握せずに使い続けると、想定以上のコストになることがあります。定期的に利用状況を見直し、不要な機能やアカウントを整理することで、コストを適正に保つことができます。
クラウド型業務システム導入の進め方
現状整理と目的の明確化
クラウド導入を成功させるために、最初に行うべきなのが現状整理です。現在の業務システムについて、「どの業務で」「誰が」「どんな不便を感じているのか」を洗い出します。
あわせて、システム障害の頻度、運用にかかる時間や人員、コストなども整理しておくと、課題が具体化しやすくなります。
その上で、「コスト削減をしたい」「リモートワークに対応したい」「運用負荷を減らしたい」など、クラウド化で何を実現したいのかを明確にします。目的が曖昧なまま導入すると、機能過多や期待外れにつながりやすいため、この工程は特に重要です。
サービス選定のポイント
サービス選定では、単に機能が多いかどうかではなく、自社業務に本当に必要な機能が揃っているかを重視します。業務フローに合わないシステムを選ぶと、運用が定着せず、現場の負担が増える原因になります。
あわせて、セキュリティ対策の内容、サポート体制、障害時の対応範囲も確認が必要です。問い合わせ窓口の有無や対応時間は、導入後の安心感に直結します。
費用については、初期費用だけでなく、利用人数増加時の料金やオプション費用まで含めて比較し、複数社を検討した上で判断することが重要です。
段階的な移行の重要性
クラウド化を進める際は、既存システムを一度にすべて切り替える方法はおすすめできません。業務への影響が大きく、トラブルが発生した場合のリスクが高くなるためです。
まずは、影響範囲の小さい業務や部門からクラウド型システムを導入し、操作性や運用方法に慣れることが重要です。その後、問題点を改善しながら段階的に移行範囲を広げていくことで、現場の混乱を抑えつつスムーズな移行が可能になります。
このように計画的に進めることで、クラウド導入の効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ
業務システムのクラウド化は、サーバー管理の負担軽減やコスト最適化、場所に縛られない働き方を実現する有効な手段です。クラウド型は初期費用を抑えつつ、拡張性やアップデート性にも優れており、変化の激しい業務環境に柔軟に対応できます。一方で、セキュリティ設定や既存システムとの連携、ランニングコストの管理といった注意点も理解しておく必要があります。現状と目的を整理し、自社に合ったサービスを選び、段階的に導入することで、クラウドのメリットを最大限に活かすことができます。
「クラウド型とは?業務システムをクラウド化するメリットと導入ポイントをわかりやすく解説」
の詳細が気になる方は、
お気軽にお問い合わせください
Y's Blog 編集部

