Azure AI Search 入門:料金・機能・導入手順をまるごと解説

公開日:2025/12/26 更新日:2025/12/26
  • Web開発
  • アプリ開発

Azure AI Search 入門:料金・機能・導入手順をまるごと解説

公開日:2025/12/26 更新日:2025/12/26
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初めに

近年、アプリやウェブサービスで「検索機能の高度化」を目指す企業が増えています。特に AI を活用した検索 ― いわゆる「AI Search」は、単純なキーワードマッチだけでなく、自然言語クエリや意味理解による高精度な検索体験を可能にします。ユーザーが検索する意図や文脈、曖昧な質問にも柔軟に対応できる検索基盤は、DX推進・ナレッジ管理・デジタルサービス提供において欠かせない領域となりつつあります。
その中でも Microsoft Azure が提供する Azure AI Search は、全文検索・ベクトル検索・AI 解析・非構造化データ処理を備え、Azure OpenAI などの LLM と組み合わせて RAG(検索+生成AI)アーキテクチャの「検索・取得コンポーネント」として利用できるクラウド検索基盤です。
本記事では、Azure AI Search の基本概要、仕組み、料金、活用例、導入メリットと注意点まで体系的に整理し、導入検討に必要な判断材料をまとめました。エンジニア・ITマネージャー・プロダクト責任者・企業のDX推進担当者に向けて、実務で使える理解を提供します。

Azure AI Searchとは?基本概要と特徴

Azure Cognitive Search の概要

Azure Cognitive Search(旧 Azure Search)は、Microsoft が提供するフルマネージド型の検索プラットフォームであり、企業やアプリに高度な検索機能を統合するためのエンタープライズ向け基盤です。Elasticsearch や Apache Solr のような検索エンジンをクラウドで利用できる概念に近いものの、AI機能が標準で統合されている点が大きな違いです。

主な特徴として、以下が挙げられます。

  • フルマネージドでスケール可能
  • セキュリティ・認証連携(Azure AD)との統合
  • REST API / 公式SDK(.NET / Java / JavaScript / Python)対応
  • Azure Storage、SQL Database、Cosmos DB、SharePoint などからのデータ収集
  • テキスト検索だけでなく AI 解析・文書抽出(OCR/PDF/Officeファイル)・エンティティ抽出に対応

特に、企業が保有する 非構造化データ(PDF、議事録、Word、画像、メールログなど)の検索性向上に優れており、次世代型のナレッジ管理基盤として採用が増えています。

また、内部では inverted index(転置索引)方式を採用し、曖昧検索、ファジーマッチ、オートサジェスト(候補提示)、ランキング調整(Scoring Profile)など検索体験を向上させる設計が標準搭載されています。

“AI Search”の意味と従来の検索との違い

従来の企業内検索は、「単語として一致するかどうか」だけが基準でした。検索の成否はユーザーの入力精度に依存し、情報が見つからないケースが頻発していました。

Azure AI Search では NLP や生成AIと組み合わせることで以下が実現できます。

例:
「契約更新ルール」を探すユーザーの意図を理解し、

  • 「契約更新方法」
  • 「契約期間変更」
  • 「更新ポリシー」

など、意味的に関連度の高い情報も回答します。

こうした「検索体験の変革」が Azure AI Search の中核価値と言えます。

Azure AI Search の主な機能と強み

自然言語クエリ対応(LLM統合)

Azure AI Search は単体でも全文検索・ベクトル検索が可能ですが、より高度な意味理解型検索を実現する場合は Azure OpenAI Service などの LLM と統合し、RAG(Retrieval Augmented Generation)構成として利用することが推奨されています。

この構成により、

ユーザーの質問 → AIが意図分析 → Azure AI Searchで検索 → AIが検索結果を要約

という高度な対話型検索体験を実現できます。
企業内FAQ、自動応答チャットボット、問い合わせ削減システム、製造業マニュアル検索、法律事務所の判例検索など多様な領域で活用されています。

検索キーワードの補完、ユーザー入力の曖昧解釈、意味類似性検索、ベクトル検索(Vector Search)も対応しており、ChatGPT、Copilot、LangChain などのAIフレームワークとの連携も進んでいます。

多言語/非構造化データ対応

Azure AI Search が強い理由の1つは、企業が日常的に扱う「非構造化データ」を処理できる点です。

対応しているデータ:

  • Word / Excel / PowerPoint
  • PDF / 一部のスキャン画像(OCR によるテキスト抽出)
  • HTML / Markdown / プレーンテキスト
  • 画像(OCR・タグ抽出などの AI スキルでテキスト化)
  • 音声書き起こしデータ
  • 音声書き起こしデータ(テキスト化されたログとして取り込み)
  • SharePoint Online 上のコンテンツ(Microsoft 365 コネクタ等を利用)

※Teams や Exchange のログは専用コネクタではなく、Graph API やログ収集基盤から Azure Storage 等に保存したうえでインデックス化する構成が一般的です。

Azure AI(Cognitive Services)と統合し、以下のAI処理も可能です。

  • OCR(文字抽出)
  • 自然言語解析
  • エンティティ抽出(人名・日付・数値など)
  • 機密情報マスキング
  • 言語判定・翻訳
  • 感情分析

これにより、企業が眠らせている情報資産を「検索可能なナレッジベース」へと変換できます。

料金プランとコスト構造

料金モデルの基本(単位・構成要素)

特に AI Enrichment 機能は従量課金となるため、大量のドキュメントをOCR処理する場合は事前設計が重要です。

コストを抑えるためのポイント

Azure AI Search は設計次第でコスト最適化が可能です。

最適化テクニック例:

  • ベクトル検索が不要なら Standard から Basicに切り替え
  • AI解析は初回のみ実施(差分抽出を管理)
  • 再インデックスを頻繁に起こさない設計
  • キャッシュ活用と検索回数の削減
  • 不要フィールドやログを削除しインデックスを軽量化

特に Storage Optimized Tier(L系列) は、数十GB〜数TB単位のデータを扱う場合にコストメリットが大きく効果を発揮します。

導入・設定の流れと利用例/ユースケース

初期セットアップの手順概要

Azure AI Search の導入フローはシンプルですが、インデックス設計フェーズが最も重要です。標準の構築手順は以下です。

  • Azureポータルでリソースを作成
  • データソース連携
     (CosmosDB / Blob / SQL Database / SharePoint / カスタムAPI)
  • Index Schema 設計
     (スキーマ、検索可能フィールド、フィルターフィールド、スコアリング定義)
  • Skillset 作成(AI enrichmentを使う場合)
  • Indexer 設計(更新頻度や差分処理)
  • クエリAPIまたはSDKで実装
  • モニタリング・チューニング・拡張

開発時には Azure SDK・Azure AI Studio・Postman・Search Explorer を利用することで、検索精度や設定変更のテストが簡単に行えます。

Web検索/ドキュメント検索/FAQ Bot への応用例

Azure AI Search の代表的ユースケース:

  • ECサイト商品検索
  • 製造業の技術資料検索
  • 医療・法律ドキュメント検索
  • 営業提案履歴検索・CRM連携
  • FAQ自動応答AI
  • 自治体DX(条例・行政文書検索)
  • Microsoft 365(主に SharePoint Online)上のドキュメント検索との統合

特に RAG AIアシスタント構築は、2024〜2025年で最も採用が拡大している分野です。

導入すべき組織・シーン/注意点とベストプラクティス

適した企業規模・データ量の目安

Azure AI Search が向いているのは以下の条件を持つ組織です。

  • データ量が数GB〜数TB、または数百万件以上
  • 業務に重要な非構造化文書が多い
  • 属人的な情報検索に時間がかかっている
  • グローバル運用(翻訳・多言語対応が必要)
  • AIアシスタントやCopilotを将来的に導入予定

小規模用途でも利用可能ですが、特に「検索精度=業務価値」になる領域ほど効果が大きいと言えます。

プライバシー/データ管理上の注意点と対策

検索に利用するデータには機密情報が含まれる可能性があるため、次の点が重要です。

  • データの保管リージョンとアクセス管理
  • 顧客情報・個人情報のマスキング
  • ログ管理と監査証跡
  • Role Based Access Control(RBAC)
  • AIモデル利用時のコンテンツフィルタリング

特に医療・法律・金融・行政では内部統制と規制順守が求められるため、セキュリティとガバナンスの設計を導入フェーズで実施することが推奨されます。

まとめ

Azure AI Search は、従来型検索では実現が難しかった「意味理解検索」「ベクトル検索」「生成AIとの連携」「非構造化データの統合管理」を実現する次世代型検索基盤です。エンタープライズ用途にも耐え、安全性・拡張性・検索体験の質を高めることができます。

導入時は インデックス設計・コスト設計・AI連携設計が成功の鍵となります。要件整理が曖昧なまま構築を進めると負荷が高くなるため、特にRAGや高度検索を設計する場合は、PoC(検証)→本番設計の流れが推奨されます。

検索を単なる機能ではなく、ユーザー体験・業務効率・意思決定に寄与する戦略的領域として捉えることで、Azure AI Search は企業のデータ活用力を大きく引き上げる強力な基盤となります。

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