SIerとは?意味・業務内容・ランキングでわかる選び方ガイド

公開日:2025/12/25 更新日:2026/01/30

SIerとは?意味・業務内容・ランキングでわかる選び方ガイド

公開日:2025/12/25 更新日:2026/01/30

初めに

SIer(システムインテグレーター)とは、企業のITシステム開発や運用を請け負う専門会社のことです。初めてSIerを検討する企業担当者や転職希望者は、SIerの意味や業務内容、信頼できる企業の選び方を知りたいと考えています。本記事では「SIerとは何か」という基本情報から、最新のSIerランキングをもとにした企業比較まで、意思決定に役立つ情報を網羅的に解説します。これにより、システム導入やキャリア選択での判断ミスを防ぐことが可能です。

SIerとは?

SIerの定義と役割

SIer(System Integrator)とは、企業の業務課題に合わせてITシステムを設計・開発から導入、運用までを一括して支援する企業です。

自社に十分なIT人材がいない場合でも、SIerを活用することで、専門知識を活かした安全かつ効率的なシステム導入が可能になります。

SIerが提供するサービス内容

一般的なSIerが提供するサービスは、以下の通りです。

 

  • システム設計・要件定義:業務フローやニーズに合わせたシステムの設計
  • ソフトウェア開発:業務アプリケーションや基幹システムの構築
  • インフラ構築:サーバー、ネットワーク、クラウド環境の構築
  • 運用・保守:システム稼働後のトラブル対応やアップデート
  • コンサルティング:業務改善提案やシステム最適化のアドバイス

なぜ企業はSIerを利用するのか?

企業がSIerを利用する最大の理由は、専門知識や人材、経験が不足している状態でITシステムを構築・運用することが大きなリスクになるためです。
具体的には、次のようなケースでSIerの活用が有効です。

 

  • IT部門がなく、要件定義から外部に任せたい
  • 複数部署にまたがる業務システムを統合したい
  • クラウド移行やセキュリティ対応に不安がある

SIerの種類と特徴

大手SIerと中小SIerの違い

安定性重視なら大手、柔軟性重視なら中小SIerが向いています。

比較項目 大手SIer 中小SIer
得意分野 大規模・基幹システム 中小規模・特定分野
開発体制 数百〜数千人規模 数十〜数百人規模
強み 実績・安定性・信頼性 柔軟性・スピード
コスト 高め 比較的抑えやすい
向いている企業 大企業・公共機関 中小規模・成長企業

大手SIerと中小SIerの違いは「優劣」ではなく、プロジェクトとの相性にあります。

例えば、数百人規模が関わる基幹刷新や公共案件では、標準化された管理体制を持つ大手SIerが適しています。一方、要件が固まりきっていない新規事業やスピードが求められる開発では、中小SIerの柔軟な対応力が成果に直結しやすい傾向があります。

業界ごとの専門SIerの特徴

業界特化型SIerの最大の強みは、業務理解を前提にシステム設計ができる点にあります。そのため、要件定義の精度が高く、導入後の手戻りが起きにくいという特徴があります。

医療業界向けSIerでは、システム開発そのものよりも法規制や診療報酬制度を前提とした業務設計が重要になります。医療法や診療報酬制度を理解した上で電子カルテや医療画像管理システム(PACS)を設計できるため、現場運用に即したシステム導入が可能です。

金融業界向けのSIerは、勘定系システムや決済システム、リスク管理システムなど、高い信頼性とセキュリティが求められる基幹システムの構築に強みを持っています。金融機関の複雑な業務プロセスやコンプライアンス要件を熟知しており、法改正や新たな金融サービスへの対応もスムーズに実施できます。

製造業向けのSIerは、生産管理システム(MES)やサプライチェーン管理システム(SCM)、品質管理システムなどの開発に特化しており、製造現場のオペレーションやIoT機器との連携にも精通しています。

そのため、業界特有の業務や法規制が強い分野では、実績のある業界特化型SIerを選ぶことが、導入失敗を防ぐ近道になります。

海外展開しているSIerの事例

一部のSIerは海外市場向けの展開も行っており、グローバル規模でのシステム統合やクラウドサービス提供に対応しています。多国籍企業や海外拠点を持つ企業にとっては、海外展開SIerの選定が重要なポイントとなります。

大手SIerの中には、アジア、北米、ヨーロッパなど世界各地に拠点を持ち、現地の言語や商習慣、法規制に対応したシステム開発を行っている企業があります。例えば、NTTデータは約50カ国・地域に展開しており、グローバル企業の基幹システム統合プロジェクトを数多く手がけています。また、富士通やNECも海外子会社を通じて、現地企業や日系企業の海外拠点向けにシステム開発・保守サービスを提供しています。

グローバル展開しているSIerを選ぶメリットは、複数国にまたがるシステムの統合管理が容易になることや、タイムゾーンを活かした24時間サポート体制を構築できることです。また、各国のデータ保護規制(GDPRなど)への対応や、多言語・多通貨対応のシステム構築においても、現地の知見を活かした適切なソリューション提供が期待できます。

SIerの組織形態と働き方

SIerでは、営業・コンサル・開発・インフラ・運用といった専門チームが分業・連携することで、複雑なプロジェクトでも品質と進行を両立しています。

近年ではDXの進展により、リモートワークやフレックスタイム制、副業解禁など柔軟な働き方を導入するSIerも増えており、従来の「長時間労働」のイメージは変化しつつあります。

技術スタックの違い

SIerごとに使用する技術やツールが異なることが多いため、システム開発や運用の効率にも差が生じます。Javaや.NETなどの開発言語、クラウド環境(AWS、Azure、GCP)、データベース管理など、自社システムとの親和性を確認することが重要です。

大手SIerの中には、自社製品やパートナー企業の製品を中心に技術選定を行う企業もあります。例えば、富士通はFUJITSU Enterprise Postgres、日立はHitachi Advanced Data Binderなど、自社のミドルウェアやデータベース製品を推奨することがあります。一方、中小SIerやモダンな技術を重視するSIerは、オープンソースソフトウェアや最新のクラウドネイティブ技術を積極的に採用する傾向があります。

開発言語についても、金融や公共分野の大規模基幹システムではJavaやCOBOLが主流である一方、Web系やモバイルアプリ開発ではPython、Ruby、JavaScript(Node.js)、Swift、Kotlinなどの言語が使われます。また、クラウド環境の選択も重要で、AWSに強いSIer、Azureに特化したSIer、マルチクラウド対応を得意とするSIerなど、それぞれに得意領域があります。

自社の既存システムとの連携だけでなく、3〜5年先の技術トレンドに対応できるかという視点で、SIerの技術スタックを確認することが重要です。

SIerの選び方

企業規模・技術力での比較

SIer選定では、企業規模と技術力の確認が欠かせません。大規模プロジェクトでは実績と信頼性が重視され、中小規模では柔軟性やスピードが重視されます。また、技術力は開発実績や保有資格、最新技術への対応状況で判断できます。

過去実績や導入事例の確認ポイント

過去のプロジェクト実績や導入事例を確認することは、信頼性の判断材料として有効です。業界や業務内容が自社に近い案件があるか、納期や品質管理の実績は十分かなど、具体的な情報をチェックすることでリスクを最小化できます。

最新SIerランキング

国内主要SIer売上高ランキング

最新の国内SIer売上高ランキング(2024年度)では、以下のような順位となっています。

順位 企業名 売上高 分類
1位 日立製作所 約9兆7,287億円 メーカー系
2位 NTTデータグループ 約4兆6,387億円 ユーザー系
3位 富士通 約3兆5,501億円 メーカー系
4位 NEC 約3兆2,000億円 メーカー系
5位 SCSK 約4,500億円 ユーザー系

NTTデータは売上高が4兆円を超える、国内でも最大手と言えるユーザー系SIerです。対官公庁の業務に強みがあるだけでなく、ビッグデータやAI、IoTなどの最先端テクノロジーを活用した新技術の提供にも力を入れています。

 

国内主要SIer平均年収ランキング

最新の国内SIer平均年収ランキングは以下の通りです。

順位 企業名 平均年収 分類
1位 野村総合研究所(NRI) 約1,293万円 コンサル系/ユーザー系
2位 SRAホールディングス 約1,178万円 独立系
3位 電通総研 約1,134万円 ユーザー系
4位 三菱総合研究所 約1,024万円 コンサル系
5位 伊藤忠テクノソリューションズ 約941万円 商社系

野村総合研究所(NRI)はユーザー系SIerとして有名で平均年収1,293万円とランキング1位のシステム会社です。野村證券のシステム部門が発祥で、野村証券とセブン&アイ・ホールディングスが主な顧客です。そのノウハウから証券業界や流通業界にも強くコンサルティングで高い利益率を出しながらシステム構築を行なっています。

ランキングから読み取れる傾向

SIerランキングからは、「売上規模=案件の大きさ」、「年収水準=付加価値の高さ」という傾向が読み取れます。

そのため、安定性を重視する企業と、高度な課題解決を求める企業では、選ぶべきSIerのタイプが異なる点に注意が必要です。

 

売上高の傾向: 上位には、製造業系の大IT部門を抱える「メーカー系SIer」が多数ランクインしています。日立製作所は社会インフラ・公共系の案件に強みを持ち、世界的にもSI事業を拡大中です。NTTデータは公共・金融・医療分野での実績が厚く、独自の研究開発も進めています。

年収の傾向: コンサル系SIerがダントツで年収が高く、独立系が低いという構図です。年収ランキング上位企業は、幅広い業界対応力や技術力に加え、クラウド・セキュリティ対応の実績を重視している傾向があります。また、柔軟な開発体制や海外展開力も上位SIerの共通点です。

 

特にコンサルティング要素の強い企業は、付加価値の高いサービスを提供することで高い利益率を実現しており、それが従業員の年収にも反映されています。選定時には、自社の課題解決に合致する要素を優先して検討するとよいでしょう。

 

最後に

SIer選定やシステム導入では、企業ごとに最適解が異なります。検討に迷った場合は、専門家に相談しながら進めるのも一つの方法です。

 
 
 
 
 
 
 

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