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ホームページ制作の費用を抑えたいと考える中小企業や個人事業主にとって、国や自治体が提供する各種補助金は心強い味方です。特にデジタル化や業務効率化を支援する「IT導入補助金」や「事業再構築補助金」などは、ホームページ制作における初期費用を一部負担してくれるため、導入ハードルを大きく下げることができます。本記事では、ホームページ制作に使える主な補助金制度の概要や申請条件、スケジュール、注意点までを網羅的に解説します。補助金を活用して賢く自社のWeb戦略を進めたい方は、ぜひ最後までご一読ください。
ホームページ制作に使える補助金とは
補助金の基本的な仕組み
補助金とは、一定の条件を満たす事業者に対して、国・都道府県・市区町村といった公的機関が提供する「給付型」の資金援助制度です。借入とは異なり、原則として返済義務がなく、企業活動の一助として非常に有効に活用できます。国の成長戦略や地域の課題に対応することを目的として設計されており、新規事業の立ち上げや経営基盤の強化、デジタル化推進などの文脈で多く用いられています。
ホームページ制作については、直接的な利益に繋がる販路拡大、業務効率化、顧客対応の自動化といった「経営上の課題解決」と結びつけることで補助対象になりやすくなります。ただし、補助金にはそれぞれの目的があり、要件を満たさない場合は対象外となることもあるため、制度の趣旨を理解することが大切です。
どんな経費が対象になるのか
補助金によって対象となる経費は異なりますが、ホームページ制作に関しては以下のような費用が一般的に補助対象とされます。
- ホームページの企画立案・構成設計費用
- UI/UXデザイン費用(スマホ最適化含む)
- CMS(例:WordPress、MovableTypeなど)の導入・開発費用
- EC機能や予約システムの開発・連携費用
- サーバー設定、SSL化、ドメイン取得・設定の初期費用
- 多言語対応やアクセシビリティ対応などの機能拡張
- Google Analyticsなどのアクセス解析ツール導入費
- SEO対策・コンテンツマーケティング初期設計費
一方で、以下のような内容は補助対象外とされるケースがあります。
- 会社案内のみを目的とした静的ページの作成
- ブログのみの構築
- 自社スタッフによる内製(外部発注なし)の開発費
- 納品後の保守・運用費(継続的支出)
そのため、公募要領や対象経費一覧を事前にしっかり確認し、補助対象とならない費用を除外したうえで計画を立てる必要があります。
代表的な補助金制度の種類と特徴
IT導入補助金(インボイス枠)
中小企業・小規模事業者がインボイス制度に対応するためのソフトウェア・ハードウェア導入を支援する補助金制度です。
「会計」「受発注」「決済」機能のいずれかを有するソフトウェア導入が必須で、PCやPOSレジなどのハードウェアも補助対象となります。
ハードウェアのみの申請は不可で、ソフトとの連携が求められます。
導入支援や保守サービスなどもオプションで補助対象に含まれます。
【特徴】
補助率
・中小企業:3/4以内(50万円超部分は2/3)
・小規模事業者:4/5以内(50万円超部分は2/3)
・ハードウェアのみ:1/2以内
補助上限額
・ソフトウェア:最大350万円
・ハードウェア(PC・レジ等):10万円または20万円(機器種別による)
対象事業者
中小企業・小規模事業者等
要件
・ソフトウェアは「会計」「受発注」「決済」のいずれか1機能以上を搭載
・補助額50万円超の場合は2機能以上の搭載が必要
・ハードウェアはソフトウェアの利用に資するものに限る
インボイス制度へのスムーズな移行を目的とした制度です。
制度活用により、業務効率化と法対応を同時に実現できます。
https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbase/
事業再構築補助金・小規模事業者持続化補助金
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ポストコロナを見据えて中小企業の新分野進出や業態転換を支援する大型補助制度です。新規事業に伴うPRやWeb販売チャネルの構築を行う際、ホームページ制作費を補助対象とすることが可能です。
例
- 飲食業から物販事業への転換でECサイトを新設
対象となる事業者は以下3つの必須申請要件をすべて満たす必要とがあります。
- 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
- 事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
- 付加価値額を向上させること
補助上限額が高く設定されている分、審査は厳しく、要件も多いため、専門家と連携して申請を進めることが望ましいです。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、地域密着型の小規模事業者を対象に販路拡大や業務効率化を支援する補助金です。商工会・商工会議所の支援を受けながら申請を進めるスタイルで、Webサイトの新設やリニューアルも対象に含まれます。
特徴
- 補助率:2/3(上限50万円〜200万円)
- 特別枠あり(インボイス対応、小規模創業など)
- 地域の商工団体と連携するため相談しやすい
補助対象者(一般型・通常枠)の主な要件
1.小規模事業者であること
参考:小規模事業者の定義
業種 | 常時使用する従業員数の上限 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く) | 5人以下 |
サービス業(宿泊業・娯楽業) | 20人以下 |
製造業・その他 | 20人以下 |
2.資本金または出資金が5億円以上の法人に100%株式を保有されていないこと(法人のみ)
3.直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
4.過去に下記対象3事業で採択・補助実施した場合、様式第14(効果・賃金報告書)を受領していること
①「小規模事業者持続化補助金<一般型>」
②「小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>」
③「小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」
5.一般型の「卒業枠」で採択された事業者ではないこと
6.創業型(第1回公募)に申請中でないこと
小規模事業者持続化補助金の申請にあたっては、補助対象の可否や申請書類の作成内容によって採択結果が大きく左右される可能性があります。そのため、公募要項を正確に理解するだけでなく、中小企業診断士や地域の商工会・商工会議所などの専門家に相談することを強くおすすめします。専門的な知見を得ることで、補助金の活用効果を最大限に高めることができ、申請手続きもスムーズに進められます。
補助金の申請条件とスケジュール
申請に必要な書類と手続きの流れ
1.補助金情報を探す
まずは経済産業省、自治体、ミラサポplus、J-Net21などの公式サイトで最新の補助金情報を確認しましょう。商工会議所や業界団体、専門コンサルタントも有力な情報源です。
2.書類を準備する
申請には、以下のような書類の準備が必要です
- 事業計画書(目的・効果・数値目標を明記)
- 見積書や契約書(例:Web制作費)
- 登記簿謄本・納税証明書
- gBizID(電子申請用、取得に2週間以上かかる場合あり)
- 認定支援機関の確認書(制度によって必要)
3.補助金を申請する
電子申請が主流。書類の不備があると不採択の原因になるため、提出前に必ず確認しましょう。申請後、審査を経て採択結果が通知されます。
4.採択後に交付申請 → 事業実施
採択通知を受けたら「交付申請」を行い、承認後に事業を開始。交付決定前に発生した経費は補助対象外となるため注意が必要です。
5.実績報告と補助金の支給
事業完了後は、実績報告書を提出して補助金の使用内容を報告。承認されると補助金が支給されます。
公募スケジュールの確認と注意点
補助金は年間を通じて随時公募されているわけではなく、多くは「年に数回の募集期間」が設けられています。
IT導入補助金であれば、例年4〜6回の公募があり、申請締切・審査・交付決定といったスケジュールが細かく定められています。小規模事業者持続化補助金も同様に年数回の締切があります。
【注意点】
- 最新の公募要領を必ず確認(毎回更新される)
- 初日に申請することで早期締切リスクを回避
- 予算上限に達した場合、早期終了となる場合あり
申請締切直前に焦って書類を提出するよりも、余裕を持って事前準備を行うことが、採択率を高めるポイントです。
補助金対応のホームページ制作会社を選ぶポイント
補助金を活用してホームページ制作を行う場合、制作会社の選定は非常に重要です。なぜなら、補助対象となる経費の区分や、公募要領に準拠した仕様の設計など、補助金制度に対する深い理解が求められるからです。
特に、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金などは要件が細かく、制度を正しく理解していないと申請が通らなかったり、後の修正対応で工数が膨れたりする可能性があります。
そこで本記事では、補助金に対応した制作実績の有無や、申請支援体制の有無に注目しながら、信頼できる制作会社を見極めるためのポイントを解説します。
補助金に対応した制作実績があるか
まず確認すべきは、制作会社に補助金を活用したWebサイト制作の実績があるかどうかです。補助金に精通した制作会社であれば、以下のような対応が可能です。
- 補助対象経費の正しい区分整理
- 公募要領に準拠したサイト設計・構成提案
- 採択された具体的事例の提示
特に、IT導入補助金のITツール登録事業者である制作会社は、制度に対する理解が深く、申請書類の要件定義から対応可能なケースが多いです。また、過去の採択事例を持っているかを相談時に確認すると、その会社の信頼度を測る良い材料になります。
申請サポートの有無をチェック
補助金を初めて申請する事業者にとって、書類作成や要件整理はハードルが高い作業です。そのため、補助金申請をサポートする体制のある制作会社を選ぶことが成功率を上げるカギになります。
申請支援を行っている制作会社の中には、以下のような対応を提供しているところもあります:
- GビズIDの取得支援
- 公募要領に準拠した事業計画書の添削
- 行政書士との連携による申請書類の作成・提出代行
- 採択後の報告書提出支援
こうした申請支援体制がある会社は、申請ミスのリスクを軽減し、事業者側の負担を大きく減らしてくれます。はじめて補助金制度を利用する企業ほど、こうした制作会社との連携が安心です。
おすすめの補助金対応ホームページ制作会社の比較表(実績・申請サポート)
以下に、補助金対応の実績があり、申請サポート体制も整っているおすすめの制作会社5社を比較表形式でご紹介します。
会社名 | 所在地 | 補助金実績(例) | 申請サポート体制 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
株式会社アップグレード | 東京都千代田区 | IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金など | ◎(専門チームによるワンストップ支援) | 採択実績豊富。補助金に強い戦略型サイト制作が特長 |
株式会社デジタルベリー | 埼玉県さいたま市 | 小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金 | ◎(経費分類〜申請アドバイスまで対応) | 埼玉350社以上の実績。印刷や海外集客も対応可 |
株式会社ベイジ | 東京都世田谷区 | 持続化補助金、BtoB企業向けサイト | ○(士業との連携) | BtoB特化型で上流工程に強み。補助金対応も柔軟 |
株式会社リクト | 福岡県福岡市中央区 | 地方自治体補助金、小規模事業者持続化補助金 | ◎(申請支援・制作一括対応) | 自社に士業在籍。採択後の報告対応までカバー |
株式会社ジーニアスウェブ | 大阪府大阪市北区 | IT導入補助金、広告系補助金など | ○(オプション支援あり) | マーケティング視点の設計。広告や動画にも対応 |
各社の特徴
株式会社アップグレード
IT導入補助金に特化した制作プランを提供。専門チームによるワンストップ支援で、申請から納品後フォローまで対応。補助金に強い成果重視のサイト構築が強みです。
→ 公式サイト:https://www.upgrade.co.jp/
株式会社デジタルベリー
19年の実績と350社超の導入事例を持ち、補助金申請支援も対応。クロスメディア提案や海外支援にも対応し、印刷やカタログも含めた一貫体制が魅力です。
→ 公式サイト:https://www.d-berry.jp/
株式会社ベイジ
BtoB企業特化型で、戦略立案や上流設計に強み。士業との連携で持続化補助金対応も可能。高品質・高単価なサイト制作に定評があります。
→ 公式サイト:https://baigie.me/
株式会社リクト
地方企業支援や自治体系補助金対応に強く、士業在籍で一括管理体制を実現。制作から補助金採択後の報告までをワンストップで対応可能です。
→ 公式サイト:https://www.lct.jp/
株式会社ジーニアスウェブ
IT導入補助金の対応経験多数。マーケティング視点の提案が特長で、動画・広告制作まで一貫対応可能。ECや広告活用型サイトにも対応。
→ 公式サイト:https://www.genius-web.co.jp/
補助金活用で失敗しないための注意点
不採択のリスクと対策方法
補助金は審査制であり、すべての申請が採択されるわけではありません。特に人気のある補助金では、申請数が予算を上回ることも多く、一定の競争が発生します。
主な不採択理由
- 事業計画が抽象的、根拠に乏しい
- 補助対象外の経費を含んでしまっている
- 制度趣旨とマッチしない内容
- 書類不備・記載漏れ
対策として有効な手段
- 中小企業診断士や補助金に強い行政書士への相談
- 過去の採択事例から学んだ構成案で計画書を作成
- 制度窓口に事前相談を行い、内容を調整
特に、事前確認申請制度がある補助金では、書類提出前の段階で制度事務局や商工団体と相談し、アドバイスをもらうことが重要です。
専門家との連携の重要性
補助金活用で成功するためには、専門家との連携が欠かせません。中小企業診断士や補助金申請に慣れた行政書士は、制度の特性や審査ポイントを熟知しており、申請書類のブラッシュアップに大きく貢献してくれます。
特に事業再構築補助金のような高額補助金では、事業計画の構造やマーケット分析、収支予測などの質が採択可否に直結します。第三者視点でのチェックや数値の整合性確保など、専門家の存在が結果に大きく関わります。
まとめ
ホームページ制作を検討している企業や個人事業主にとって、補助金制度は非常に強力な資金支援策です。IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金、さらには事業再構築補助金など、目的に応じた制度を選び、自社の課題とリンクさせた上で申請計画を練ることが成功の鍵となります。
また、補助金に対応したホームページ制作会社の選定や、専門家との連携によって、書類の精度や申請のスムーズさが大きく向上します。制度ごとの申請条件・スケジュールをしっかり確認し、余裕を持って準備を進めましょう。
補助金を活用したホームページ制作をご検討の方は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、貴社に最適な支援策をご提案いたします。
「ホームページ制作に活用できる補助金一覧|DX・IT導入補助金の徹底活用ガイド」
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Y's Blog 編集部