2021.4.30

<Y’sの目的>MVVを変える

n.nakadate

こんにちは!CEOの中館です。前回のブログから随分、時間が経過しましたが、第二創業期が始まり様々なことが動きはじめました。
改めて第二創業はどこに向かっていくのかを綴っていきたいと思います。前回のブログはこちらからご覧ください。

今回は10期に入るにあたりまずMVVを見直すことからスタートしました。

目次

  1. そもそもMVVって何?MVVを分解してみる!
  2. MVVを設定するメリット・デメリットって何?
  3. MVVを設定するプロセスとは
  4. Y’sのMVVができあがるまでのプロセス

そもそもMVVって何?MVVを分解してみる!

創業当初、創業メンバー3名で作ったミッション(mission)ビジョン(vision)バリュー(value)はありましたが、おそらく同じような中小企業様は多いのではないでしょうか?

MVVをいきなり改修する前に自分なりに分解しMVVがどのような意味と構成になっているのか、再度定義していきました。定義した内容は下記を参照

【ビジョン型】
・ビジョン(vision):実現したい社会
・ミッション(mission):会社が果たすべき役割・使命
・バリュー(value):社員が取るべき行動指針

【ミッション型】
・ミッション(mission):会社が果たすべき役割・使命
・ビジョン(vision):目指す中期的な会社のゴール
・バリュー(value)社員が取るべき行動指針

参考書籍:カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方

【創業から9期までのMVV】
ビジョン:世界に通用するアイデアをカタチにできる企業になる
ミッション:すげーサービスをめっちゃ出す!
バリュー:7つの行動指針

創業当初に作ったMVVはミッション型寄り?でしたがミッションとビジョンの立ち位置が不明確で社会に果たすべき使命が明確ではありませんでした。正解や不正解がある世界ではないため、改めて設定する際、ビジョン型かミッション型かをしっかり決めた上で作成していきました。

MVVを設定するメリット・デメリットって何?

次にMVVを設定するメリット・デメリットを整理しました。Y’sでは派遣事業をおこなっていることからお客様先に出向いているメンバーも多く存在します。そのようなビジネスモデルでもMVVは浸透され、機能していくのか?などの視点も含め、メリット・デメリットを考えてみました。

MVVのメリット

・顧客にスタンスを提示できる
クライアントに対し、Y’sの存在意義や使命など向き合うスタンスを明確に伝えることができ、競合他社との違いを打ち出すことができる

・採用活動に活用できる
採用時にMVVにマッチした人材を採用できるかは別としてどこに向かっている企業なのかを打ち出せるため、ポジション採用する際に活用できる

・人材育成に活用できる
ビジョンが定まっていると、どこに向かうか、到達するためにどのような能力が必要になるかが明確になり、研修制度が作りやすく人材育成に活用できる

・意思決定のスピードがあがる
業務上、判断が求められる際に、バリューをもとに考えれば意思決定のスピードをあげることができる

 

MVVのデメリット

・浸透までにコストがかかる
浸透させるためのプロジェクトを中長期的に実施することが必要になるため、リソースが大きくかかりそう

・市場の変化によって変更コストがかかる
市場の変化によって、自社のビジョンやミッションを変更しなければならないため、作ったあとのチューニングにコストがかかりそう

・制度設計との連動でコストがかかる
MVVに合わせ研修制度や評価制度、人事考課制度を構築した場合、変更に伴って制度設計の見直しを行わなければならなくなりそう

・退職者が発生する
MVVという軸が決まり、価値観やルールが定めらることで変われない、もしくは合わないメンバーは退職する可能性が高くなりそう

デメリットに対してのスタンス

・退職希望者:新たな価値観や、変わって欲しい旨を伝えそれでも変えられない場合は諦める
・浸透コスト:実施するならコストは払う、中核になるメンバーを選定し一緒に取り組む
・市場の変化:市場の変化を予測し、5年以内に変わらないビジョン/ミッションを設定する
・制度設計との連動コスト:上記を踏まえた上で制度設計を構築しておく

派遣社員が多い場合、MVVが浸透しにくいのか?でいうと今でも浸透しにくいと思っています。しかし例えば日本が本社で海外支店がある場合、MVVは浸透しないのか?東京のマクドナルドと大阪のマクドナルドは距離が離れているからMVVは浸透しないのか?事業が複数ある場合、事業が別々だからMVVが浸透しないのか?それはNOだと考えました。MVVと戦略・カルチャーとの整合性さえマッチできれば決して浸透できないわけではないとの結論に至りました。

MVVを設定するプロセスとは?

① 【したいこと】を明確にする
② ビジネス上で【嫌いなこと】を明確にする
③ 現状のビジネスを整理する(外部環境/内部環境)

① 【したいこと】を明確にする
ここはロジックではなく、自分自身がどうしたいのかをはっきりさせていきました。主要メンバーを募って明確にすることもできますが、ここで重要なのは自分に嘘をつかないこと、周りの目を気にしないことが大事であり、まずは舵を切る役目として、Y’sでやりたいことを自分で決めることにしました。

・創業当時から行っているクリエイティブ(ものづくり)の続けていきたい
・中館の強みであるマーケティングを生かしたい
・メンバーが働きやすい環境を作りたい(待遇/環境)
・メンバーが成長できる環境を作りたい
・今までの実績を使って新規サービスが作りたい
注意点:内容に矛盾することがないかチェックする

② ビジネス上で【嫌いなこと】を明確にする
ビジネスをする上で、個人的に嫌いなことを書き出します。ビジネスは削ぎ落とすことが重要になるため、リーダーとしてのスタンスを予め決めておくことが重要です。またここの内容がバリューやカルチャーに連動してくる可能性が高くなります。

・仕事に仲介を挟みたくない
・他の会社と同じに見られたくない
・普通と言われたくない
・原価商売ではなく成果で商売がしたい
・業者扱いされたくない
・デザイン=センスと思われたくない
・外勤と内勤でカルチャーが違うこと思われたくない

③ 現状のビジネスを整理する(外部環境/内部環境)
現状のビジネス(業界)がどのような方向性に向かっていくのかを洗い出し、自社の強み、弱み、育てるべき強みを洗い出していきました。ここで重要なのが、客観的な意見をもらうことが重要になります。私の場合は同じ経営者の方にご協力頂きながら制作しました。

ミッション・ビジョンを先に作って戦略・戦術を構築すべきか議論されるケースがありますが、今回Y’sはミッション=戦略、ビジョン=戦術として活用しているため、事前準備の段階で大枠の戦術を検討しておく必要性がありました。

※複数事業を展開している場合、それぞれのビジネスについて整理する必要があります。
※SWOT分析以外にも3Cでも整理することは可能です。

Y’sのMVVができあがるまでのプロセス

① ビジョン型かミッション型かを決める
② MVVの作成のアウトラインを決める
③ ミッション作成
④ ビジョン作成
⑤ バリュー作成

 

① ビジョン型かミッション型かを決める
まずはビジョン型かミッション型を決定していくのですが、前項でお話した通り正解や不正解がない世界のため、正直どちらでも良いと思います。Y’sではIT市場の変化が激しくなることを想定し途中でビジョンを変更しても良いようにミッション型を選択しました。

【ミッション型】
・ミッション(mission):会社が果たすべき役割・指名
・ビジョン(vision):目指す中期的な会社のゴール
・バリュー(value)社員が取りべき行動指針
参考書籍:カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方

 

② MVVの作成のアウトラインを決める
ここではMVVを作る上でのアウトラインを決めていきます。大体こんなイメージとルールで作るという内容を明文化し、いつでもこのアウトラインに戻ってこれるような大枠を作っておきます。

【アウトライン】
ミッション(mission):今後5年は変更しないこと、自分のこだわりや想いを入れること
ビジョン(vision):1年から2年で変更して良いこと、イメージしやすいこと、ミッションとの整合性があること
バリュー(value):主要メンバーで作る、新入社員でも理解できる、コンパクトにする

 

③ ミッション作成

デザインの力でビジネスを加速させる
※ミッション(mission):社会的使命、目的、存在意義

【抽出キーワード】
・創業当時から行っているデザイン(ものづくり)は続けていきたい
・中館の強みであるマーケティングを生かしたい
・原価商売ではなく成果で商売がしたい

【現状のビジネス整理キーワード】
・経営にデザイン思考が求められている(ブランディング戦略)
デザインの再定義(戦略・マーケティング・業務プロセス・組織・カルチャー)
業者扱いされたくない

これまでY’sでは人月単価、人日単価など労働時間の対価としてクライアントからお金をもらうことがビジネスの基本としていました。しかし、クライアントが求めていることはWebサイトやパンフレットを作ってもらいたいのではなく、その先にある成果です。成果はクライアントによって定義は異なりますが、売上や利益を出したいことがメインになると思います。

売上や利益を成果とするのであれば、Y’sは指示されたモノを作るだけでなく、デザイン思考を用いてクライアントを導く義務があると考えました。このような背景からクライアントのビジネスを前に進めることを使命としミッションにすることにしました。

デザイン思考とは(英: Design Thinking)
デザインに必要な思考方法と手法を利用して、ビジネス上の問題を解決するための考え方です。
参考:https://www.ideou.com/pages/design-thinking

 

④ ビジョン作成

2年後までにUI/UXのプロフェッショナル集団になる
※ビジョン(vision):短期的に目指す理想像、なりたい姿など

ビジョン設定の目的:デザインの力でビジネスを加速させるための短期的な目標設定

ビジョンに対しての現状のGAP
・経営戦略へのコンサルテーションができるメンバーが少ない
・マーケティングに知見があるメンバーが極端に少ない
・グロースハックに関しての経験値が足りない
・事業部別組織になっていることによってサービスが横断し提供できていない

整理の方法
・クライアントの課題を整理する(各業界別)
・自社の強みと弱みを整理する(各業界別)
・短期間でどこまでできるようになるのかを整理する

クライアントの多くの問題はリソース不足・集客のデジタル化・競合との差別化(一部抜粋)で多くを占めており、自社の強みとしてはUI(デジタル上の画面)を設計する技術者を多く保有している点と素敵なデザインを作るカルチャーを保有していました。また集客におけるデジタル化はアライアンスパートナーとすでに取り組みが一部スタートしている点とブランディング戦略も一部のクライアントでサービス提供をしていることから下記の分野でプロフェッショナルになることを決めました。

UIデザイン
ユーザーが触れる画面(Webサイト/アプリケーション/ソフトウェア)を利用しやすく(ユーザーの目的達成)デザインすること

UX設計
ユーザーがブランド価値(製品・サービス)を通じて得られる体験・体感を設計すること

今後展開する提供サービス
・ブランディング戦略の構築
・Webサイトを活用した戦略設計の構築
・WebアプリケーションのUI開発
・ネイティブアプリのUI開発
・Webサイトを活用したグロースハック
・ユーザビリティーテスト
・UIアセスメント
・SNS運用/youtube運用
・インハウス教育(UIデザイン、コーディング)
・上記に関わる人材のリソース不足の解消

 

⑤ バリュー作成

3A(Assertive(アサーティブ)Awareness(アウェーネス)Active(アクティブ))
※バリュー(value):社員が取りべき行動指針

バリュー設定の目的:2年後までにUI/UXのプロフェッショナル集団になるための行動方針

バリューに対しての現状のGAP
・必要なスキルを定義できていない
・ビジョンを達成するための人材要件が定義されていない

整理の方法
・一緒に働きたいメンバーを社内外から抽出し、キーワードを洗い出す
・キーワードに紐づく具体的なシーンを洗い出す
・キーワードを活用してペルソナを設計する
・中核となるメンバーをアサインする
・メンバーにブラッシュアップしてもらいメッセージを決定する

まず初めに現状社内で一緒に働きたいメンバーを選定し、その特徴と行動及び発言を洗い出しました。幸いにも社内のメンバーでそのような要素を抽出することができましたが、いない場合、退職したメンバーでも良いと思います。ここで重要なのがコンピテンシーなどの定義で正確に実施せず少人数でブレストして作ることがおすすめです。今回は人事メンバーと役員の数名からスタートしました。

次にブレストした内容を同じキーワードと具体的な行動・発言にとりまとめていきます。数が多すぎるとダブりが出ている可能性があるため、Y’sでは10個のキーワードにまとめました。

(1)親密性:心からの感じの良さ/その場をなごますユーモアがあるか
(2)共感力:人の気持ちを汲んで寄り添うことができる力があるか
(3)自走力:自分で意思決定を行い、行動を起こす/自分起点で物事を進めることができるか
(4)思いやり:相手の立場や気持ちを理解し対処することができるか
(5)当事者意識:自分が関わる仕事や物事を「自分の物」ととらえて取り組むことができるか
(6)ポジティブ:辛い状況でも物事を楽観的にとらえて、前向きに考えることができるか
(7)素直さ:相手を敬い、他者の意見を取り入れ学ぶ姿勢を持っているか
(8)気が利く:物事に対して、細かなところまでよく気がつく、心が行きとどく、気転がきくか
(9)自己革新 (啓発):自己の足りない部分や知識・技能を、自ら積極的に取り入れ行動に移すことができるか
(10)柔軟思考:状況の変化に応じて、臨機応変に対処しているか

次にそのキーワードと行動・発言を活用してペルソナを作っていきました。ポイントとしては社内に対して期待していること、社外に対して期待していることを明確に打ち出すことが重要です。

ペルソナが完成後、バリューを一緒に浸透させてくれるメンバーをアサインしていきました。ポイントになるのが、完璧に当てはまらなくても、なるべくペルソナに近しい人物で、発信力のあるメンバーをアサインすることがおすすめです。

ここからはY’s独自ですが、10個のキーワードを覚え日々意識させることが難しいと考え、アサインしたメンバーに10個のキーワードを活用し、浸透しやすいメッセージに改変してもらうことにしました。最後に、浸透する施策についてはまた別の機会でご説明させて頂きます。

最後に・・・

必ずしもMVVは必要ではない
ここまでの話をまとめると、MVVにはメリット・デメリットが存在し、設計する場合、適切なプロセスと継続的に推進するパワーが必要になります。もしMVVを設計する場合、最後まで運用し続ける覚悟が必要です。実際、MVVが無くても事業推進ができている企業は多く存在します。

Y’sは多数乱戦状態にある業界コンディションでかつ労働集約型のビジネスモデルを展開しているからこそMVVが必要だと感じ、設定することを決意しました。

【MVVが必要でないケース】
・経営者が熱いビジョンを持っている場合
・少数で構成されている組織の場合
・戦略や戦術が明確であり、やることが決まっている場合 など

メンバーがMVVを理解しないのは行き先不明のバスに乗るのと同じこと

企業にMVVがあるということはメンバー個人にもMVVがあるべきだと思います。

個人でMVVがあることによって企業が向かうべき方向性と自分の方向性が一致しているかを明確にすることができます。そしてミッションやビジョンが達成するプロセスで自分が何をすべきかを自分自身で考えることができます。

逆にミッションやビジョンを理解していないということは、行き先不明なバスに乗ることと同じことであり、会社の戦略や戦術を理解しないということは、どのルートを通過していくのかが分からないこととなります。少なくても自分は怖くてこんなことはしません。

一方、経営側はMVVを作るにしても作らないにしても、メンバーにY’sはどこへ向かうのか、どのルートを通過するのかの説明を直接伝えないと不安になります。これらを怠るとスキルと給与ばかり目がいくメンバーが集まってくると思います。(これは実体験です)

大層なブログを書いていますが、Y’sでできていないことがまだまだ多くあります。この先、MVVが達成できるように徹底的にメンバーと向き合っていきたいと思います。

長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

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